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2023.05.11業務用エアコン導入ノウハウ

業務用エアコンは家庭で使えるの?家庭で業務用エアコンを導入する方法や注意点を解説

業務用エアコンは家庭で使えるの?家庭で業務用エアコンを導入する方法や注意点を解説

自宅の空調効率をもっと良くしたい、新居を建てる際に業務用エアコンも一緒に設置したい、など家庭へ業務用エアコンの設置を検討される方が多くなってきている昨今ですが、実際に家庭に業務用エアコンを設置することができるのでしょうか。

業務用エアコンはルームエアコン(家庭用エアコン)と比較して、エアコン本体のサイズや設置工事の工程など、業務用エアコンの形状によって大きく異なる点が多くあります。

またルームエアコンのように数時間で取付工事を完了することが難しく、設置箇所の状態や環境によって最適な業務用エアコンを選定する工程(現地調査)から始まり、実際に設置工事に至るまで、施主様と施工業者と綿密な打ち合わせが必要があり、簡単に進めることができません。

この記事では、業務用エアコンを一般家庭に設置できるのか、また設置する場合の方法や注意点について詳しく解説をしていきます。

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業務用エアコンの基礎知識

業務用エアコンの基礎知識

業務用エアコンは、ルームエアコンと比べて出力(馬力)が高いため、それに比例して高い冷暖房効果を発揮します。

業務用エアコンは主に、小さな飲食店から大きな商業施設、学校、オフィス、製造工場などの広い室内や高温になりやすい特殊な現場などを冷暖房するための空調設備です。業務用エアコンは、出力が大きいためエアコン本体もルームエアコンよりもサイズが大きい機器になりますが、中にはコンパクトタイプの業務用エアコンもありますので、設置箇所のスペースや条件にあった業務用エアコンを選ぶことができます。

業務用エアコンは、室内ユニットと室外ユニットの2つのユニットで稼働します。

業務用エアコンの室内ユニット(室内機)

室内ユニットとは室内機のことを指し、通常天井や壁に取り付けられ、冷暖房に空調された風を広範囲に吹き出します。これにより、室内や空間全体に均一に空調された風を提供することができます。

室内ユニットには様々な形状があります。室内の設置環境やスペースに合わせた業務用エアコンを設置することができます。

業務用エアコンの室外ユニット(室外機)

室外ユニットとは室外機を指します。室外ユニットは建物の外部や屋上に設置され、室内外の空気の熱交換をおこないます。冷媒と呼ばれるフロンガスを使用して、室内と室外の熱を効率的に交換し、室内を快適な温度に維持する役割を担います。

業務用エアコンが主に利用される環境

業務用エアコンは、家庭以外のさまざまな場所で利用されています。商業施設では、店舗やショッピングモール、レストランなどで利用されています。オフィスビルでは、各部屋やフロア全体の快適な環境を管理・確保するためにビルマルチエアコン(ビルマル)が使用されます。

また、ホテル、病院、教育施設などでも業務用エアコンは広く利用されています。業務用エアコンの利点は、広い室内を満遍なく冷暖房できることや、高い出力(馬力)で大量の空気を室内に送り込むことができることです。

これにより、多くの人が往来する場所でも快適な環境を維持することができます。また、一部のモデルでは省エネ技術が採用された省エネ効果の高い機器があり、このように環境に配慮した業務用エアコンを利用することで、SDGsへの貢献に繋げることができます。

業務用エアコンを家庭に設置することはできるのか

結論から言えば、業務用エアコンと業務用エアコンの室外機を設置するスペースさえ確保できれば、設置することは可能です。

ですが業務用エアコンの設置には様々な条件があり、マンションや既存の家屋での設置の条件は特に難しくなります。

戸建てをこれから新築される方であれば、間取りを設計するタイミングで業務用エアコンの設置に関して考慮しやすいですが、業務用エアコンの設置の影響で間取りの変更が必要になる可能性もありますので、建築業者の方と設置に関してよく相談する必要があります。

以下からは家庭で業務用エアコンを設置する際に注意していただきたいことを解説していきます。

業務用エアコンを自宅へ設置する際に注意したいこと

業務用エアコンを導入する前に注意したいこと

「業務用」という名前の通り、業務用エアコンと家庭用エアコン(ルームエアコン)は本体のサイズや性能、機能などさまざまな面で異なります。ここでは、業務用エアコンを設置する上で、ルームエアコンとの大きな違いについて説明していきます。

業務用エアコンは従量電灯ではなく、低圧電力の契約が必要

動力用の三相200Vを利用する

業務用エアコンとルームエアコンの最も大きな違いは、「契約する電源が異なる」という点です。

電源が異なるため電力会社との契約も異なり、家庭用の電力は「従量電灯」、業務用の電力は「動力プラン(低圧電力)」という契約をする必要があります。

これは電気を送る方法に違いがあり、一般家庭で使用される電気機器に電気を送る方法は「単相」、業務用などの大型電気機器に電気を送る方法は「三相」になります。三相の場合は電圧が200Vと単相よりも電圧が高く「三相200V」と呼ばれます。

では、「業務用エアコンを家庭で使うから先に低圧電力に契約を切り替えよう」と考える方もいらっしゃるかと思いますが、法律で使用する機器(業務用エアコン)の設置や、ブレーカーなどの配線工事が完了していないと電柱からの引きこみ工事ができない、とされています。

つまり順番としては、

 

  1. ①業務用エアコンを取付工事を開始
  2. ②業務用エアコン用のブレーカー、配線工事を完了させる
  3. ③低圧電力を契約する

 

このような順番でやっと契約プランを変更する手続きを開始することができます。

単相200Vの契約でも設置できる業務用エアコンもある

低圧電力へ契約を変更しなければ業務用エアコンを家庭で利用できない、というわけではありません。業務用エアコンは基本構造では「三相200V」に対応した機種となりますが、家庭で使える「単相200V」を電源として利用できる機種もあります。

つまり、業務用エアコンの機種によっては新たな電力契約を結ぶことなく、家庭に業務用エアコンを設置できるというわけです。ただし注意点としては、自宅に単相3線式という方法で電気が引かれている必要があるということです。

自宅に備え付けられている電力メーターに「交流単相3線式」と表示されていれば、新たに低圧電力を契約する必要はありません。現在の一般住宅のほとんどがこの形式です。しかし、古い家屋だと30Aまでしか契約できない「単相2線式」というケースがあります。

この場合は、電気工事店に依頼して電柱からの引き込み線を張り替える必要がありますので、よく確認しておきましょう。

自宅の部屋に合わせて業務用エアコンを選ぼう

室内に合わせて業務用エアコンを選ぼう

業務用エアコンの選ぶ際に重要なのは、空間に合わせて最適な業務用エアコンを選ぶことです。

ルームエアコンと違い、業務用エアコンにはさまざまな形状があります。業務用エアコンの設置を検討するのであれば、出力だけでなく形状も含めて考える必要があります。

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業務用エアコンの形状

業務用エアコンのタイプ

業務用エアコンは大きく分けて天井埋め込み・壁掛・天吊り・床置き・ビルトイン・ダクトなど様々な種類があり、それぞれの形状によって吹出口の数、吸排気方法などさまざま異なります。

しかし家庭に業務用エアコンを設置する場合は、先述したように住居の新築や改築と同じタイミングでないと設置は難しい場合が多くあります。理由としては既存の住宅では梁や天井裏の状況、機器や配管を設置するためスペースを確保できないケースが多々あるからです。

既存の住宅であれば、設置箇所の条件が比較的易しい床置形と壁掛形の形状がオススメです。

関連記事:業務用エアコンの天井吊り・カセット・ビルトインとは?業務用エアコンの形状を詳しく解説

 

家庭に業務用エアコンを導入するメリットとデメリット

家庭に業務用エアコンを導入するメリットとデメリット

業務用エアコンを家庭に導入することは、空調効率の観点で大きなメリットがあります。

しかし、同時に業務用エアコンの導入に関しては、設置条件や注意点もありますで、以下から確認しておきましょう。

業務用エアコンを設置するメリット

空調効率がルームエアコンよりも高い

前述している通り、業務用エアコンは広い屋内や環境に合わせて効率的に空調することを目的とされており、ルームエアコンよりも短時間で設定温度に到達することができます。

また家庭で業務用エアコンを使用すると、さらに空調効率が良くなることが見込まれますので、より高い節電効果も期待されます。

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家庭用エアコンよりも消費電力を抑えることができる。結果電気代がお得

業務用エアコンは家庭用エアコンよりも出力や吹き出せる風量が多いため、短時間で設定温度まで到達しやすくなります。

そのため、高出力で稼働する時間が短縮されることで消費電力が抑えられ、結果的に電気代の節約につながります。

エアコンは家庭用、業務用に関わらず、スイッチを入れてから設定温度に達するまでの時間に多くの電力を消費します。設定温度に達するまでに時間がかかるほど、消費電力は多くなるため、できるだけ短時間で設定温度まで到達することが電気代を抑える上で重要になります。

室内のコンセントが不要でスッキリした見栄え

業務用エアコンはコンセントを利用しないため、配線が見えず見栄えが良くなるメリットがあります。電源はすべて室外機に直結するように設置されますので、エアコン本体だけが見える形になります。

業務用エアコンは経年の耐久性に優れている

業務用エアコンはオフィスや飲食店、ホテルなど常時稼働させる環境でもしっかりと空調することを前提に作られていますので、経年劣化による耐久性はルームエアコンと比較しても優れています。

また業務用エアコンは人の往来が激しい屋内でも空調できることを前提として製造されているため、埃やチリなどの耐久性やフィルターの性能も優れていることが特徴です。

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業務用エアコンを設置するデメリット

エアコン本体の購入費用や設置工事費などの初期コストが高い

業務用エアコンはルームエアコンに比べ、エアコンの本体料金や設置にかかる工事費が高額になります。

理由としては設置工事完了までの工程が、業務用エアコンの方が複雑で多くあり、設置工事には数名の作業者が対応しますので、総合的に費用が高くなります。

業務用エアコンは設置完了までに時間がかかる

壁掛形のルームエアコンは排気口さえあれば、数時間程度で取付工事が完了します。

しかし業務用エアコンの設置工事の前に必ず現地調査を依頼し、設置箇所に最適なエアコンの形状や方法を調べる必要があります。

その後、見積書を作成し契約を締結しますので、取付工事に取り掛かるまでにまず時間がかかります。

またその後の取付工事の期間は設置する形状によって異なりますが、概ね1ヶ月程度を予定しておくと良いでしょう。もちろん必ず1ヶ月かかるというわけではありませんが、そのくらいの余裕を持ったスケジュールで進めていく必要があります。

まとめ

結論として、一般家庭でも業務用エアコンは設置できますが、設置環境や総コストの観点からは一概に業務用エアコンの方が良いと言きれない場合があります。

ご家庭にエアコンを設置する場合は「費用対効果」をよく考慮し、「そもそも家庭用エアコンでの出力でも不十分なのか?」といった視点で考えてみることをおすすめします。

昨今では高機能で高性能なルームエアコンも多く発売されています。現状の機種と業務用エアコンの利点を比較して、どちらが良いのかよく検討しましょう。

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