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業務用エアコン運用ノウハウ 2023.04.17
家庭などで一般的に多く使われているルームエアコンや、オフィスや店舗、飲食店には欠かせない業務用エアコンですが、夏季や冬季ではこれらエアコンの稼働は欠かせません。
エアコンを稼働させれば快適な空間を維持することができますが、エアコンを長時間稼働させ続けると気になってくるのが電気代ですよね。
エアコンの電気代は設定する温度に大きく影響するので、過度に温度を下げたり上げたりすることでも大きく電気代は変わってきます。
特に業者や企業が利用する業務用エアコンの場合は、ルームエアコンよりも高出力なため電気代が高いというイメージを持たれがちですが、果たしてそれは本当なのでしょうか?
この記事では、電気代が高くなってしまう理由とエアコンの電気代はどのように節約したらいいのか、エアコンの節電や節約テクニックについて詳しく解説していきます。
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目次
エアコンの電気代が高くなってしまう原因は、この記事を読んでいる方もなんとなく「設定温度が原因している」と思ってらっしゃる方もいるかと思いますが、あらためてここでエアコンの電気代が高くなってしまう原因を確認していきましょう。
多くの方がご存知の通り、エアコンの設定温度によって電気代は大きく影響します。
冷房では温度を下げ過ぎる、暖房では温度を上げ過ぎることにより、電力を多く使います。また、エアコンは設定された温度に到達するまで高出力で稼働します。つまり簡略すると、現在の室温と設定温度に差があるほど高出力で稼働する時間が長くなるため、使用する電力が多くなる、ということです。
つまり電気代も比例してその分、かかってしまうということになります。
エアコンの稼働効率は一概には言えませんが主として、「経年劣化」と「エアコン内部の汚れ」の2つの原因に大別できます。
長年使用し続けた機器は当然劣化しますし、エアコンも同様に購入当初のようなパフォーマンスを維持できる状態ではなくなります。
また、エアコン内部の汚れも電気代に影響を与えます。
エアコンの内部が汚れてしまうとフィルターなどが目詰まりし、通気性を悪くする可能性を高めます。通気性が悪化することで、空調された空気の排出がうまくできず、空調効率が悪化し設定した温度まで到達する時間が余計にかかってしまうため、余分な電力を使ってしまい電気代が高くなってしまう原因になります。
またエアコンの内部は湿気や埃が溜まりやすいため、カビの発生や深部にまで埃が入ってしまう場合もあります。できるだけカビや埃がエアコン内部に溜まらないようにするためには、定期的な清掃が有効です。
室内の断熱性もエアコンの電気代に影響を与えます。
最近の建造物は機密性が高いため、電気代に大きな影響を与えることは少ないですが、断熱性が低く室内の温度が変わりやすい環境の場合は要注意です。
先述したように、エアコンは設定温度に到達するまで高出力で稼働します。室内の温度を一定に保てなかったり、室温が変化しやすい環境の場合は設定温度まで到達するまでに時間が掛かってしまう、または到達しないということもあり得ます。
そのため断熱性が低い環境下でエアコンを利用する場合は、必然的に消費する電気量が多く、結果的に電気代が高くなります。対策方法としては、断熱材を利用したり室内やエアコンを設置している環境の気密性を高めることで室温を維持しやすくなり、電気代も抑えることができます。
また室温と外気温度の差が大きいほど消費電力は多くなります。
設定温度に対して外の空気を「冷房」や「暖房」に空調するために空気を冷やしたり、温める必要があります。設定された温度と外気温の差が大きいとエアコンは空調するために電力を多く消費するため、気温差が大きければ大きいほど余分なエネルギーを必要とし、電気代を高める原因となります。
▼エアコンの設定温度に関して以下の記事で詳しく解説しています。
一般家庭で契約している電力の多くは「従量電灯」です。
そのため、一般家庭においては純粋にどの時期、時間帯などに関係なく使用した電力に対して料金が発生します。
しかし、企業や店舗、施設、工場などの法人の場合だと電力契約が異なる場合があります。東京電力エナジーパートナー様を例に挙げると以下のような電気料金プランがあります。
現在契約している電力会社や電気料金プランによって、電気代の計算方法が異なる場合がありますので一概に言えませんが、法人の中でよく契約されている『業務用季節別時間帯別電力』をもとに解説していきます。
これは現在契約している電力会社との契約内容によりますが、「ピーク時間」と「昼間時間」と「夜間時間」の3つの料金体制があります。
この「ピーク時間」と「昼間時間」と「夜間時間」の電気料金を把握することで、電気代を節約するポイントを見つけることができるかもしれません。以下から「ピーク時間」と「昼間時間」と「夜間時間」のについて解説していきます。
電気代の高いピーク時間は最も電力を多く利用した時間帯で発生する電気料金で、多くの場合は13:00〜16:00頃となるケースが多いようです。
昼間時間とはまた料金の算出方法が異なりますので、以下では昼間時間について解説します。
電気料金の昼間時間とは8:00〜22:00までの時間帯を指しています。
また昼間時間は夏季(毎年7月1日〜9月30日まで)とその他季の2つの料金体制があり、夏季のみ電気料金が若干ですが値上がりします。
夏季は基本的に電気料金が高くなりますが、その中でもうまく利用して電気代を節約することができるかもしれません。
夜間時間とは22:00〜8:00までの間を指し、この時間帯は昼間時間と比較して若干ですが電気料金が値下げされています。
画像引用元:業務用季節別時間帯別電力(契約電力500kW以上)|電気料金プラン 高圧・特別高圧|東京電力エナジーパートナー株式会社
業務用エアコンにおける出力の単位は主に「馬力」で表されます。
自動車のパワーを表す単位でも使われる「馬力」ですが、どのようなものなのか少しイメージしづらいのではないでしょうか。
1馬力のパワーは75kgの男性を1m、1秒間かけて繰り返し持ち上げられる力、というふうに例えられます。この説明でもイメージが難しいと思いますので、馬力について詳しく知りたい方は以下の記事で解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
家庭用エアコン(ルームエアコン)の出力を表す単位は「畳数」や「kw(キロワット)」です。馬力をkwに換算すると、1馬力は約2.8kw相当で、kwを畳数に換算すると約0.28kwで1畳相当となります。
広い部屋で使う家庭用エアコンでも馬力に換算すると最大で3馬力(約8.4kw、約30畳相当)ほどになっています。
一方で業務用エアコンは1.5馬力から10馬力のものまでありますので、家庭用エアコン(ルームエアコン)と比べると大きな差があります。そのため、消費する電力も多くなり、電気代も高くなってしまうということになります。
業務用エアコンは家庭用エアコンのコンセントとは異なり、業務用エアコンを稼働させるためには電力契約を変更する必要があります。
家庭用エアコンをはじめとした一般的な家電製品は「従量電灯」という一般家庭で多く利用されている電力を契約しますが、業務用エアコンのように多くの電力を消費する場合では「低圧電力」という電力契約が必要になります。
低圧電力の特徴は、家庭向けの従量電灯と比べて電力の料金が安いことです。従量電灯の電気料金は基本料金と当月の使用電力量に応じた料金で決まりますが、低圧電力はこの「使用電力料金」が低く設定されています。
低圧電力も従量電灯と同様に電力を多く使えば電気代は積み重なりますが、低圧電力は電力を使えば使うほど電力量に対する電気料金が安くなるという契約なのです。
家庭用の「従量電灯」と比べれば基本料金は多少高くなりますが、それを補えるだけのお得さが低圧電力にはあります。
もちろん一般家庭でも低圧電力の契約は可能です。しかし、現在契約している電力会社によっても条件が異なる場合があったり、低圧電力の中で細かくプランが分けられていたりすることもありますので、電力の契約を変更する場合は担当者とよく相談して決めましょう。
オフィスや店舗のように空調範囲が広いのに電気代を気にして、家庭用エアコンを複数台設置して稼働させると、かえって電気代が高くなるケースがあります。空調範囲の広さや間取りを考慮し、最適なエアコンと最適な電力契約を選択しましょう。
先述したように業務用エアコンは出力の単位が馬力で、消費電力は家庭用エアコンと比べて大きいことが特徴です。
また、業務用エアコンを稼働させるためには、従量電灯では稼働させられない場合があり、多くの場合は電力契約を「低圧電力」へ変更する必要があります。低圧電力は電気の使用量によって電気代を多少抑えられると説明しましたが、それでも電気を使用しているので必ず電気代はかかってきます。
これまで、『出力が高い』=『消費電力も多くなる』と解説してきましたが、電気代が高くなる理由は出力の高さによる消費電力量だけではありません。出力の大きさ以外に、どのようなところで電気代が高くなるのか、以下で解説します。
壊れていないからといって古い機種のエアコンを利用し続けていると、吹き出し口やフィルターの経年劣化や最新機種との性能差の影響で電気代が高くなってしまうことがあります。
家庭用エアコンの耐用年数は6年、業務用エアコンの耐用年数は13年から15年と、故障しにくいため不具合がなければ使い続ける方が多くいらっしゃいます。
ですが、エアコンの省エネ性能や技術は日々進歩しています。業務用エアコンの場合、メーカーなどによりますが、おおよそ15年前の機種と最新機種の消費電力の差は2倍以上あると言われています。
簡単に言い換えると15年前の機種から最新機種に買い換えれば、年間のエアコンの電気使用料が半分になる計算になりますので、電気料金も大きく節約することができます。
もちろん業務用エアコンは安価なものではないので、安易に電気代だけを考慮して買い替える、という判断は難しいかもしれませんが、買い替えた業務用エアコンを何年使い続けたら元が取れるかを考え、それに見合う価格感であれば業務用エアコンの買替えを検討してみても良いかもしれません。
エアコンの室内機本体に問題や不具合がなくても、フィルターや吹出口に埃やゴミで目詰まりしていると、本来の性能で稼働することができません。
フィルターの目詰まりを起こしているエアコンは本来の性能を発揮できないため、設定温度に到達するまでに余計に時間が掛かったり、急いで設定温度に到達させるためにフル稼働する時間も長くなってしまう場合があります。
この余計に稼働してしまった分が電気代として跳ね返ってくるので、結果として電気代が高くなります。
エアコンは電源を入れてから設定温度に達するまでの間に、最も多くの電力を使用します。業務用エアコンであっても家庭用エアコンと同じように、フィルターは自分で取り外せて、掃除をすることが可能です。
年に数回やエアコンの稼働ピーク時の前に掃除したり、水洗いをするなどしてフィルターが目詰まりを起こさないように清潔に保つことで電気代の節約につながります。
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真夏に外から帰ってきたときは、あまりの暑さでエアコンの設定温度を18℃にするなど、極端な設定にしてしまいがちですがこれは非常におすすめできません。
なぜならエアコンのクーラーの設定温度が1℃下げると、電力消費が10%増加するといわれているからです。とはいえ、あまりに暑いのは我慢できませんよね。
そこで電気代を節約しながら快適に過ごすおすすめな設定は、エアコンの風量を「自動」にすることです。自動は実は一番無駄のない設定なのです。風量を自動にすると、設定温度になるまでは強風、設定温度に達したら自動的に微風や弱風になります。
状況に合わせて自動的に風量を調整してくれますので、まさに無駄なく稼働することができるところが「自動」の最大のメリットです。
じゃあ「最初から微風や弱風にすればもっと電気代を節約できるのでは?」と考えてしまいますが、これは実は逆効果です。たとえば、夏の暑い日に外から帰ってきたとき「もったいないから」といって風量を微風や弱風に設定して、室内が涼しくなるまで長時間稼働させるとかえって電気代が高くなる可能性がありますのでおすすめできません。
先述したようにエアコンは設定温度になるまでに一番電力を使うので、なるべく短時間で設定温度に到達させることが節電効果につながりますので、風量は自動に設定しエアコンに任せましょう。
もう1つありがちなのが「エアコンのスイッチをこまめに消すこと」です。一見すると「ずっと稼働させておく方が電気を多く消費してしまう」と思いますが、実はそうでもないのです。
先述したように、エアコンは設定温度に到達するまでの間が一番電力を消費します。つまり、こまめにエアコンの電源を切ってしまうと、せっかく空調した室内の温度が変化してしまい、再度電源を入れた場合、エアコンは設定温度に調整できるまでフル稼働してしまいます。
一方でエアコンの電源を切る回数が少ない場合だと、室温の変化は少なく設定温度に近い状態を維持できますので、エアコンもフル稼働する必要がありません。つまり、フル稼働させる回数が多い、時間が長いとその分、電気代がかかるのです。
暑くなったり、寒くなってから再度空調するよりも、室内を設定温度にキープされた状態の方が消費電力は少なく、節約になるのです。
業務用エアコンはその出力の強さから、電気代は高くなりがちです。例年に比べてエアコンの効きが悪くなったと感じたらフィルターを掃除したり専門業者にクリーニングを依頼することをぜひ検討してみてください。
またエアコンの電源をつけたり消したりを繰り返さない、ということを徹底することから始めるのも良いかもしれません。すでに長年使用していて、そろそろ入れ替えを検討しているといった方は、ぜひオーソリティー空調へご相談ください!
イチからお客様の空間にあった空調工事をご提案させていただきます。
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