
旅館業許可とは?開業手順と必要な資格、旅館業法について解説
2025.06.27
内装デザイン

内装制限とは?建築基準法の基本概要から緩和条件までを解説
2025.06.20
内装デザイン

ポップアップストアとは? 出店の目的や準備、メリットを解説
2025.06.13
内装デザイン
業務用エアコン導入ノウハウ 2024.10.15
Q1. 業務用エアコンだけで換気はできるのか?
A. 一般的な業務用エアコンには換気機能がありません。
Q2. 換気機能付きのエアコンは存在する?
A. 一部の高機能モデルには外気取り入れ機能がありますが、限られています。
Q3. 換気対策はどうすればよい?
A. 別途換気設備の設置や窓開け換気の併用が推奨されます。
業務用エアコンを導入している店舗やオフィスで「エアコンで室内の空気の入れ替えができている」と思っていませんか?
実は、業務用エアコンは室温の調整には優れていますが、外気と室内空気を入れ替える「換気機能」は基本的に備えていません。
エアコンは室内の空気を吸い込み、それを冷やしたり温めたりして再び室内に戻す仕組みであり、新しい空気を取り込んで古い空気を外へ出すことはできないのです。
この記事ではエアコンの基本的な仕組み、換気設備の重要性、さらに法令や導入時のポイントについて、わかりやすく解説していきます。
目次
業務用エアコンに関して、「換気もできるのでは?」と考える方が少なくありません。
ここでは一般的な業務用エアコンの仕組みと、換気機能付きエアコンについて説明します。
通常の業務用エアコンは室内の空気を吸い込み、冷やしたり暖めたりして再び室内に戻すというサイクルで動いています。
つまり、先述したように空気の「温度」を調整する機能であり、「空気の入れ替え」は行っていません。
この仕組みにより効率的に冷暖房ができますが、新鮮な外気の取り込みはできない構造です。
上記のとおり、空気は室内を循環するだけで新しい空気が入ってくるわけではありません。
たとえば会議室に複数人が集まり長時間過ごした場合、二酸化炭素濃度が上がるにもかかわらず、業務用エアコンだけでは外気を入れて改善することはできません。
一部のメーカーでは、外気を取り込む機能を備えた「換気機能付きエアコン」を販売しています。
画像引用元:Rシリーズ 「うるさらX」 製品情報 | ルームエアコン | ダイキン工業株式会社
ダイキン工業の『うるるとさらら うるさらX(S225ATRS-W)』は無給水加湿機能と換気機能の2機能を搭載し、加湿と換気を実現させるルームエアコンです。
室内の設定温度、または湿度に到達すると、消費電力を抑える節電⾃動運転モードに自動切り替えます。
画像引用元:Gシリーズ | ハイセンスジャパン株式会社
密閉された空間であっても、屋外の新鮮な空気を専用の換気フィルターユニットを介して取り込むことができ、冷暖房を稼働させながらでも換気が行えるため、常に空気の入れ替えが可能です。
真夏や真冬の厳しい気温でも、パワフルな空調機能で室内をすぐに快適な状態へと整えます。
ただし、ダイキン工業の『うるるとさらら うるさらX(S225ATRS-W)』のように、加湿機能が搭載していませんので注意が必要です。
「空気の循環」と「換気」は似て非なるものです。
循環とは室内の空気をかき混ぜることで換気は外の空気を取り入れ、中の空気を外に出す行為です。
つまり、循環だけでは空気は“入れ替わって”いないため、ニオイや湿気、ウイルスなどが室内に滞留しやすくなります。
換気が不十分な空間では、CO₂(二酸化炭素)濃度が上昇し、集中力の低下や眠気を招く恐れがあります。
また、ウイルスやカビの繁殖にもつながり、感染症のリスクが高まる点も見逃せません。
とくに不特定多数が利用する飲食店や美容室では、衛生面での信頼を損なう原因にもなります。
空気清浄機は、室内のホコリやウイルスをフィルターで除去する装置ですが外の空気を取り込む機能はありません。
そのため、エアコンと空気清浄機を併用しても換気とは言えません。
空気清浄機はあくまで補助的な存在であり、換気との併用が必要です。
エアコン単体では換気が不十分である以上、それとは別に換気設備と組み合わせることが求められます。
以下では、実際に有効な設備や組み合わせについて解説します。
「全熱交換器」とは、室内と室外の空気を入れ替えつつ、温度と湿度を交換できる機器です。
たとえば冬場に暖かい室内の熱を外へ逃がさず、冷たい外気を温めて取り込むことで、エネルギーロスを最小限に抑えながら換気ができます。
業務用施設では天井埋込型の「ロスナイ」や「ベンティエール」などがよく使われています。
近年では、エアコンの運転状況と連動して稼働する換気設備も増えています。
たとえばエアコンの電源に連動して換気扇や熱交換器が自動で作動する仕組みです。
これにより、換気のし忘れや操作の煩雑さを防ぐことができるというメリットがあります。
業務用エアコンに換気機能がない場合、一般的な方法として窓を開ける自然換気があります。
ただし、これにもメリットと注意点があります。
窓を開けることで新鮮な空気を取り込み、滞留した二酸化炭素や臭いを排出できます。
設備投資も不要で、もっとも手軽な換気方法と言えるでしょう。
しかし一方で外気温や天候に左右される、虫や花粉の侵入リスクがある、防犯面での不安が残るといった課題もあります。
とくに夏場や冬場には空調効率が下がり、結果として電気代が上がる可能性も否めません。
換気の効果を高めるためには、「空気の通り道」を意識することが重要です。
たとえば1か所だけでなく、対角線上にある2つの窓を開けると効率的な空気の流れが生まれます。
また、毎時5〜10分程度の定期的な換気を行うことで、室内の空気を適度に入れ替えることができます。
店舗などで窓が1つしかない場合は、扇風機やサーキュレーターを併用して空気を押し出す工夫も効果的です。
寒冷地や幹線道路沿いなど、窓を開けにくい環境では「窓開け換気」に限界があります。
そうした場合は窓に取り付け可能な簡易換気ファンや壁面への小型の換気扇設置など、補助的な機器の活用が現実的です。
また、定休日や閉店後に集中的に換気を行うといったスケジュール管理も限られた環境の中では有効な手段となります。
ここでは、換気機能付きエアコンについて解説します。
換気機能付きエアコンとは、外気を取り込んで室内の空気を排出する機構を持った空調設備です。
近年では、熱交換をしながら換気を行えるモデルや、PM2.5・花粉などを除去するフィルターを搭載したタイプも登場しています。
三菱電機の「ロスナイ」シリーズは、室温を保ったまま換気ができる製品として、教育機関や医療施設などでも導入が進んでいます。
換気機能付きエアコンの導入費用は一般的な業務用エアコンよりも1.2〜1.5倍程度高くなる傾向があります。
また、換気時に空気を加温・冷却するため、ランニングコストもやや上がるケースがあります。
しかし、換気と空調を同時に制御できることから個別の換気設備を設置する場合と比べて運用コストを抑えられる可能性もあるため、トータルの費用対効果を見極めることが大切です。
最近では、換気ユニットと空調ユニットが一体となった「一体型空調機」も普及しています。
このタイプは1台で冷暖房と換気を同時に行えるため、設置スペースの省略や操作の一元管理が可能です。
小規模店舗やスペースに制限のあるテナントでは、こうした一体型の導入が有効です。
省エネ性能にも優れたモデルが多く、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)で高評価を得ている製品も登場しています。
業務用施設では、換気が「推奨」されているだけでなく、法定換気量という法律で義務化されているケースもあります。
ここでは、主な法的基準とその確認方法について説明します。
厚生労働省が定める「事務所衛生基準規則」では、一人あたり毎時30㎥以上の換気が必要とされています(第5条)。
この基準は、室内で発生するCO₂や湿気、汚染物質を一定レベル以下に保つためのものであり、すべての事業所に適用されます。
飲食店や美容室などでは、各自治体の条例や消防法に基づき、調理設備や客室ごとの換気量基準が定められていることがあります。
とくに調理場では排気ファンやフードの設置が義務付けられていることが多く、換気設備なしでは営業許可が下りないケースも存在します。
換気に関する規定を満たすためには、以下のポイントを確認することが重要です。
このような点を押さえたうえで、行政に提出する図面や換気計算書の作成も視野に入れておく必要があります。
業務用エアコンと換気設備の導入・改善を検討する際にはコストや機能だけでなく、施設の特性や運用目的に合った選択が求められます。
ここでは、導入時に押さえておきたい3つの視点から解説します。
換気方式は「自然換気」「機械換気(第1種〜第3種)」などがあります。
開放的なカフェのような空間では自然換気との併用が現実的ですが、完全密閉されたオフィスビルや診療所では機械換気の導入が必要不可欠です。
また、面積が広く来客数が多い施設では、「全熱交換換気」や「CO₂センサー連動型換気」など負荷に応じた調整が可能なシステムが適しています。
以下のように、導入機器によって初期費用・運用コスト・維持管理の手間は大きく異なります。
設備種別 | 初期コスト | 電気代 | メンテナンス頻度 | 設置難易度 |
---|---|---|---|---|
一般換気扇 | 低め | 低め | 半年〜年1回 | 容易 |
全熱交換器 | 中〜高 | 中程度 | 年1回以上 | 中〜高 |
換気一体型エアコン | 高額 | やや高い | 年1〜2回 | 高い |
これらを事前に整理し、専門業者や建築士との相談を経て進めることで、失敗のない設備導入が可能になります。
一般的な業務用エアコンには換気機能がありません。換気を目的とする場合は、別途換気設備の導入が必要です。
一定の効果はありますが、気候や立地によっては効率が悪くなるため、機械換気との併用が望ましいです。
空気清浄機は内部の空気をきれいにする装置であり、外の新鮮な空気を取り入れることはできません。
換気機能付きモデルでも、機種や設置環境によって効果に限界があります。空間に合った設計が重要です。
地方自治体や中小企業支援制度によっては、換気設備に対する補助金・助成金が用意されていることがあります。導入前に必ず確認しましょう。
業務用エアコンは、室内の空気を冷暖房する機能には優れていますが、基本的に外気を取り入れる「換気機能」は備えていません。
そのため、快適かつ衛生的な環境を保つには、別途換気設備の導入や窓開け換気との併用が必要です。
とくにCO₂濃度の上昇やウイルス対策を考える場合、機械換気や全熱交換器などの併用は今や欠かせない選択肢です。
さらに、換気機能付きエアコンや一体型モデルの導入によって、省スペース化やエネルギー効率の向上も期待できます。
店舗やオフィスの環境改善において「換気」は重要なテーマです。現在の設備に不安がある方、これから導入を検討している方は、当社ReAirへお気軽にご相談ください。
2025.06.27
内装デザイン
2025.06.20
内装デザイン
2025.06.13
内装デザイン