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店内やオフィスなどの広い室内の冷暖房で利用される業務用エアコンはルームエアコンと比較して出力が高いため、設定温度や風量の強弱の関係で電気代が気になるという方も多いかと思います。
この記事では業務用エアコンの消費電力と風量の関係と、電気代を抑えるテクニックについてご紹介していきます。
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目次
業務用エアコンの消費電力量はどのような場合に高くなるのでしょうか。
消費電力量の増減はエアコンの設定温度や風量の強弱によって異なりますが、外的要因としては季節が大きく影響します。エアコンの稼働量が増加する季節は夏季と冬季ですが、実は夏季よりも冬季の方が消費電力が高く、電気代も高くなる傾向があります。
理由としては、エアコンの設定温度と外気温の差にあります。エアコンは室温を設定された温度に調整するために稼働しますが、エアコンは室外機で外気の取り込み、温度を調整して室内へ送り込まれます。
そのため、外気温と設定温度の差が大きいほど、設定した温度に調整するための稼働力が必要となり、それに比例して必要な電力量も必要になります。例えば夏季で気温が30℃で温度設定を25℃にした場合、外気温と室温の差は5℃になりますので、風量を中量、もしくは自動運転にしていればそれほど激しい稼働にはなりません。
しかし、冬季では気温が10℃でエアコンの設定温度が20℃だとした場合、その差は10℃となりその差分を稼働しなくてはなりません。
特に気温が一桁や零下になるような寒冷地では、外気温との差が15℃以上になることもあり、さらにその差分は大きくなります。また冬季は日照時間が短くなりますので、家などの室内に滞在する時間が長くなるということも、消費電力の増加につながります。
余談となりますが、前述した通り夏季よりも冬季の方が消費電力量が多くなりますので、できるだけ風量を自動、もしくは弱にし厚着をして寒さ対策をするなどを心がけると良いでしょう。
業務用エアコンの消費電力を抑えるためにまず行うべきことは、風量と設定温度の管理です。
まず風量について、おすすめの設定は「自動運転」です。自動運転とは、設定された温度になるまでは強風で稼働し、設定温度に到達したら自動的に微風や弱風に調整されます。状況に応じて、風量を自動で調整してくれますので一番無駄のない設定となります。
たとえば夏の暑い日に「もったいないから」といってエアコンの風量を微風や弱風で涼しくなるまで長時間稼働することはおすすめできません。
エアコンは設定温度に到達するまでに一番電力を消費しますので、なるべく短時間で設定温度に到達させることが節電につながります。弱風や微風は、すでに室温が設定温度に近い状態の際に選択するようにしましょう。
もちろん手動で最初は強風にし、設定温度に近づいたら微風や弱風にしてもよいのですが、広いオフィスや飲食店での手動での管理は手間がかかります。
風量を自動設定にしておけば、室温に合わせてベストな風量にしてくれるので節電と利便性の二点でメリットがあります。
消費電力については、設定温度と外気温との差分によって異なる旨を解説しましたが、節電を意識するのであれば夏季は設定温度を下げすぎず、冬季は上げすぎないように注意しましょう。また、こまめにエアコンを消したり、点けたりすることはむしろ消費電力を高めることになってしまうので注意が必要です。
消費電力量を抑えるためにできることは、風量や設定温度の調整だけではありません。
風量と設定温度の調整を前提に、さらなる節電につながるテクニックをご紹介します。
夏季・冬季を問わず実施していただきたいのが、エアコンフィルターの掃除です。
業務用エアコンであっても、家庭用エアコンと同様に簡単にエアコンフィルターを取り外しことができます。
基本的な掃除方法としては、フィルターに付着した埃を掃除機で吸う、もしくは水洗いするだけで十分ですが、飲食店や厨房などで利用しているエアコンの場合はフィルターが油で汚れている場合がありますので、中性洗剤を使いながら掃除をしましょう。
フィルターを洗ったあとは、直射日光を避け日陰で完全に乾かしてから元に戻します。エアコンのフィルターは直射日光によって形状が変形してしまうことがありますので十分に注意してください。
エアコンフィルターの掃除が節電に効果的な理由は、フィルターが目詰まりを起こしていると十分な空気を取り込むことができず、エアコン本来の性能を発揮することができなくなることが大きな原因となります。
またエアコンが本来の性能を発揮できなくなると、エアコンの効きが悪化し設定温度に到達するまでの時間が長くなります。さらにエアコン自体も設定された温度に到達させようと過稼働を起こすこともあり、それらの影響で消費電力量が多くなってしまいます。
業務用エアコンはフィルターが汚れにくい工夫がされていますが、年に数回など定期的な清掃をおすすめします。
室外機の周りに水をかけたり、放熱した空気が滞留しないように隙間を確保したり、直射日光を避け日陰に置くなどの対策により、室外機が取り込む空気の温度を冷ます有効な節電テクニックです。室外機は、ファンを回して室内機の熱を外に逃がす「放熱」する役割があります。
つまり、放熱が上手くできない環境に室外機を設置してしまうと、放熱した熱を再度取り込んでしまい、室外機や室内機にも過度な負担がかかります。
上手く稼働できないエアコンは無理に冷やそうと働きかけるため、余計な電力を消費してしまい電気代の高騰につながってしまいます。
室外機はなるべく日陰に置き、放熱しやすいように周囲に物を置かないようにしましょう。
エアコンの冷暖房の効きをよくするために、扇風機やサーキュレーターを使って空気循環させることがおすすめです。
エアコンで吐き出される空気を部屋へ循環させることで、効率よく室内の温度を調整することができます。
冷たい空気は足元に、暖かい空気は上の方に行く性質がありますので、冷房の場合は扇風機やサーキュレーターを下に向け、暖房の場合は上に向けて循環させることで部屋全体の温度を均一に保ちやすくなります。
また、天正に設置されるシーリングファンを利用することでも同様の効果がありますので、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
前述したように、冷たい空気は足元に、暖かい空気は上の方に行く性質がありますので、冷暖房によって風向を調整することも重要です。
冷房の場合は風向を水平に、暖房の場合は風向を下向きにすることで効率よく室温を調節することができます。
冬季は暖房でエアコンを稼働させますが、例えば普段暖房での設定温度が24℃にしていた場合、23℃に下げるだけでも効果が見込めます。
エアコンの消費電力量は設定温度が1℃変われば10%前後も変わると言われています。節電や電気代を意識するのであれば、冷房の場合は普段の設定+1℃を、暖房の場合は-1℃を心がけることで大きな節約になります。
またエアコンの冷暖房での冷やしすぎ、暖めすぎは健康の面で悪影響を及ぼす可能性があります。室内と室外での温度差は人体への影響が大きく『ヒートショック』を引き起こす原因となります。特にこの『ヒートショック』は冬季に発生しやすく、高齢の方であれば尚更注意が必要です。
冷暖房の極端な温度設定は電気代のみならず、さまざまな影響を及ぼしてしまいますので適温で過ごすことを心がけましょう。
風量を自動設定にする、設定温度は夏季はいつもより+1℃、冬季は-1℃にするといった方法は手軽に実践できるものですので、ぜひ試してみてください。
業務用エアコンは家庭用エアコンより出力は大きいですが、家庭用エアコンとは電力契約の内容が異なるので必ずしも家庭用エアコンより電気代が高くなるわけではありません。
広くないスペースだからといって家庭用エアコンと決めつけるのではなく、業種や業態によって最適なものは異なりますので、入れ替えや新設の工事をご検討の方はぜひお問い合わせください!
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