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飲食店と一言に言っても業種がさまざまあり、内装によってその店舗の雰囲気やコンセプトが伝わります。
そのため内装デザインは店舗において重要なポイントのひとつで、適当になんでも良いというわけにはいきません。
この記事では、飲食店での内装設計のポイントを解説し、その中で照明や色の使い方・レイアウトの工夫などについてご紹介していきます。
居心地のよい魅力的な店舗作りに、ぜひご参考ください。
目次
飲食店の内装で、お客様に大きな影響を与えるものの中に「照明」と「色」があります。
これらはその場にいる人の心理に刺激を与えるため、お店の雰囲気作りや目的によってうまく使い分けていく必要があります。
照明によって、お客様の滞在時間は変化します。
バーやカフェでよく見られる演出ですが、落ち着きと居心地の良さを出したい場合は、「天井付近を明るく、下に行くにつれて暗くする」といった方法もあります。
ゆったりした雰囲気を作り出し、食事をじっくり楽しんでもらいたい場合には、オレンジ系の電球をおすすめします。
反対に回転率を上げたい場合は、白系の照明にすると良いでしょう。
青さを感じる白系の照明は人の集中力を高める効果があるため、回転率を重視するラーメン屋や定食屋などに適しています。
また、白色の光は食事を美味しそうに見せる効果があります。手元だけにしっかり光を当てるやり方をしている飲食店もあるため、自分の理想に近いお店の照明をリサーチしましょう。
ちなみに、空間の全体的な明るさを判断するための基準とされているのは「照度(しょうど)」で単位は「ルクス(lx)」ですが、ルクスはJIS(日本工業規格)によって基準が設けられています。
飲食店では調理場や廊下、トイレなどさまざまな場所に照度が適応されています。
例)調理場は300~750ルクス、トイレは150~300ルクス など
参考サイト:【色彩心理】明るい寒色系の空間は長居しやすい?お客様の滞在時間と色の関係
利用する色によっても、お店の印象は大きく変化します。
落ち着く空間にするためには、色を効果的に使うことが大切で、ポイントは、内装で使うメインの色は3色までと決めることです。
それ以上使うと脳が疲労を感じ、落ち着かない空間だと認識してしまいます。
飲食店での動線は、お客様だけではなく、スタッフの動きも考慮する必要があります。
店内のレイアウトは、お店の印象や雰囲気に影響を与えます。
そして、お客様が入店してから座席へ移動するまでの通路の広さや各テーブルへの動線が適当であるかも検討しておくといいでしょう。
厨房、キッチンのレイアウトは、「調理」「提供」「片付け」の3つの動線を考える必要があります。
一度作業の流れをやってみて、料理の制作段階から片付けまでを効率的にできるかを考えてみましょう。
厨房で働く人数が多い店では、それぞれ異なる作業をするスタッフ同士の動きが重ならないように注意が必要です。
レジをどこに配置するかを最初に決めることで、あとのレイアウトが作りやすくなります。
意識すべきは、食べる空間とお金を払う空間を切り分けることです。
レジは入口付近の設置が望ましいのですが、入ってくるお客様の邪魔にならず、さらにスタッフがすぐにレジに入れる動線かがポイントです。
飲食店で主な内装工事の内容は、業種や業態、物件の状態などによって大きく異なるため一概には言えませんが、ここでは主に飲食店で必要になるであろう工事内容について解説します。
たとえば、スケルトン物件を選ぶ場合は、天井や壁、床などがむき出しになった状態からスタートします。
設計の自由度が高く理想の店舗作りができる反面、1から内装を作り上げていく必要があるため、時間や労力、費用がその分かかります。
一方、以前のテナント利用者が家具や設備などを残したまま退去した状態の居抜き物件を選ぶと、設備などはすでに揃っているため、スケルトン物件と比較して大きな工事をする必要はありません。
そのため、工事にかかる時間や費用をさえることができますが、すでに設備が備わっており、ある程度レイアウトも決まっているため内装の自由度は下がってしまいます。
スケルトン物件や居抜き物件はそれぞれ利点、不利点もありますので状況に合わせて物件を選択しましょう。
スケルトン物件や居抜き物件と言っても、その物件ごとに内装の程度や状態が大きく異なりますが、以下からは飲食店で主に必要になりそうな工事について、解説していきます。
デザイン設計・内装工事では、店舗の業種・業態やコンセプトに合わせて室内空間をデザインし、集客面や居心地の良さを実現することを目的とした工事です。
具体的な工事内容は、店舗内全体のレイアウトや従業員・顧客の動線設計が行われ、カウンターや客席配置、厨房の位置の最適化を計ります。
その後、内装工事として、壁・床・天井の仕上げ、照明、家具、看板設置などを行います。
以下の項目は、各種設備で必要とされる工事内容です。
飲食店用にガス工事が必要な場合は別途工事費が発生します。
ガス工事の費用は、ガスメーターや安全弁、配管を敷設する必要も想定されるため比較的高額になりがちです。
ただし、注意が必要なのがテナントビルの場合です。テナントビルでは、1本の供給管から各テナントにガスが割り当てられています。
その割り当てではガスの量が足りない場合は、本管からの引き込み管を交換する工事も必要です。
その分別途費用もかかるため、高額になるケースがあります。
たとえ居抜き物件であっても、まったく費用がかからないというわけではありません。
また、配線工事の他に、幹線引き込みの工事が必要になることもあります。
幹線引き込み工事とは電気容量を増やすために行う工事で、居酒屋や焼き肉屋など電気を大量に使うお店では使用可能な電力を増やすため、太い幹線への変更が必要です。
給排水設備のないスケルトン物件を選んだ場合、新しく水道管や排水設備を整えなければなりません。
そのための水道工事費用は高額になる傾向があるため、給排水設備が備わっている物件と合わせて検討すると良いでしょう。
業務用エアコンの工事費は、室外機の設置場所やダクトの範囲によって大きく変わります。
また、設置する環境によっても工事費に差が出やすいのが特徴です。
一言に飲食店といっても業種やサービス内容は多岐に渡ります。
そのため、何が必要でどのくらいの費用がかかるのかは一概には言えませんが、「最低限これだけはしっかり考える必要がある」というものは共通しています。
お店のコンセプトを考えたうえで、最適な内装にしていきましょう。
その際には、照明や色といった人間の心理に影響する要素についても確認が必要です。
ある程度の理想を絞り込んだら、早めに内装会社に相談することをおすすめします。
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