業務用エアコン運用ノウハウ 2025.09.26

厨房ダクトの油汚れと清掃について解説!設備のメンテナンスや汚れ対策も紹介

厨房ダクトの油汚れと清掃について解説!設備のメンテナンスや汚れ対策も紹介

厨房の換気設備、とりわけダクトは日々の調理業務を支える重要なインフラの一つです。

神奈川県川崎市多摩区登戸を拠点とする私たちReAirでは、地域に根差した空調設備の専門業者として、飲食店舗や施設における厨房ダクトの設計・施工を数多く手がけてきました。

厨房ダクトは単なる排気通路ではなく、日常的に発生する油煙や湿気、臭気を適切に排出することで、作業環境の快適性や衛生性を保ち、同時に火災リスクを低減する「安全装置」としての役割も担っています。

ただし、油汚れが蓄積すると機能が低下し、換気性能の悪化や火災の一因となる可能性があります。

この記事では、厨房ダクトと換気設備の基本構造、関連する法令や基準、油汚れの原因と影響、清掃方法や頻度、さらに汚れを抑えるための厨房設計の工夫について解説します。

厨房ダクトと換気設備

厨房ダクトと換気設備

厨房ダクトは、調理現場で発生する熱気・油煙・臭気を効率的に屋外へ排出し、厨房内の快適性と安全性を維持する設備です。

これらは厨房運営に欠かせない基盤であり、適切な設計・配置・メンテナンスがなければ十分に機能しません。

特に都市部のように建物が密集するエリアでは、近隣への臭気や煙の影響を抑える役割も求められます。

厨房ダクトの役割

厨房ダクトは「作業者の健康と安全、厨房内外の環境維持」を支える存在です。

コンロ・フライヤー・グリルなどから発生する油煙や蒸気、熱気を効率的に集め、換気扇を経由して屋外へ排出することで、室温・湿度・空気質を管理できます。

この機能は店舗の快適性だけでなく、近隣環境への配慮にも直結します。

ただし、ダクト内部は油煙や湿気が蓄積しやすく、清掃を怠ると排気能力の低下や火災リスクを招く恐れがあります。

そのため、厨房ダクトの設置や管理には専門業者が設計段階から関与し、地域や施設の状況に応じた対応を検討することが望ましいとされています。

参考サイト:厨房の暑さ対策を解説!熱中症から従業員を守り生産性を上げる方法とは

厨房換気の基本構造と給排気のバランス

厨房換気設備は排気と給気の適正なバランスが重要です。

排気を強化するだけでは室内が負圧となり隙間から外気が流入しやすくなり、衛生性を損ねるだけでなく臭気が拡散し近隣苦情の原因となる可能性があります。

給気口はフィルター付きのものを用い、新鮮空気を適切に取り入れ、厨房全体の空気循環を正常化することが現場実務では必須です。

さらに厨房内の換気フード・換気扇・給気口の位置関係と風向計画を緻密に設計することで、厨房全体の換気効率を向上させることが可能です。

参考サイト:高機能換気設備とは?一般的な換気設備との違いや換気方法について解説

厨房換気と関連法令

厨房換気設備の設計・運用は、建築基準法消防法などの法令に適合させる必要があります。

たとえば、建築基準法施行令第126条の2 では火気を使用する厨房に排煙設備を設けることが規定されており、川崎市の火災予防条例でも換気設備や防火管理に関する基準が設けられています。

また、消防署による立入検査では「換気設備の維持状況」や「定期的な清掃・点検の有無」が確認される場合があります。

油汚れの原因と影響

油汚れの原因と影響

厨房ダクトに油汚れが蓄積すると、排気性能の低下、火災リスクの増大、悪臭や衛生環境の悪化といった問題が生じる可能性があります。

調理油煙は微細な油粒子を含んでおり、特にフライヤーや炒め物を多用する厨房では発生量が多くなります。

これらの粒子はダクト内壁に付着し、埃や煤と結合して硬化し、厚い汚れ層へと変化します。

汚れの蓄積は短期間でも進行することがあり、1年未満で排気効率に支障をきたす事例も見られます。

消防庁の火災統計によれば、飲食店舗における火災原因の一部に「ダクト火災」が含まれており、その要因として油汚れが指摘されています。

川崎市消防局をはじめ、各地の消防機関でも注意喚起が行われています。

調理油煙による油汚れ

調理油煙は微細な油粒子を含み、特にフライヤーや焼き物、炒め物を扱う厨房では油煙発生量が膨大になります。

これら油粒子は排気フードを通過した後、ダクト内壁に徐々に付着・堆積します。

前述したように初期段階では薄い油膜に過ぎませんが、時間が経つにつれ埃や煤と結合して硬化し厚い汚れ層を形成します。

この蓄積は短期間でも進行しやすく、1年未満でダクト断面積を狭める事例も少なくありません。

油汚れが排気性能に与える影響

油汚れの蓄積は、換気効率の悪化を招きます。

排気抵抗が増大するため、換気扇やファンモーターの負荷が上昇し、必要な排気量が確保できなくなります。

川崎市のように隣接住宅が多い地域ではこれにより煙や臭気が屋外に適切に排出されず、近隣住民からの苦情につながることもあります。

加えて、排気能力低下によって厨房内が高温多湿化し、従業員の労働環境も悪化します。

特に夏場は熱中症リスクが増し、スタッフの健康被害が現実的な問題となります。

火災リスクや衛生問題との関係

ダクト内の油汚れは、消防法上も重大な火災リスク要因とされています。

国土交通省の調査では、飲食店舗火災の主原因の約3割が「ダクト火災」とされ、原因の多くが油汚れ着火です。

川崎市消防局も厨房換気ダクトの清掃不良に起因する火災への注意喚起を行っており、定期的な清掃・点検が求められています。

また、油汚れが溜まったダクトはゴキブリやネズミなど衛生害虫の温床となり、店舗衛生の悪化要因となります。

これらは店舗イメージや営業許可にも影響するため、放置できない重要課題です。

厨房ダクトの清掃方法と頻度

厨房ダクトの清掃方法と頻度

厨房ダクト清掃は、排気性能を維持し火災や衛生リスクを低減するために重要な作業です。

清掃の一般的な手順

  • ・フードやフィルターを取り外し、洗剤と高圧洗浄で清掃
  • ・ダクト内部を専用ブラシや洗浄液で物理的・化学的に洗浄
  • ・換気扇・排気ファンを分解清掃し、通風性能を回復

清掃頻度の目安

  • ・フィルター・フード周辺:月1回以上の定期清掃
  • ・ダクト内部・排気ファン:半年〜1年に1回

油を多用する業態や長時間営業する店舗では、より短いサイクルが推奨されます。

川崎市のような住宅密集地では、近隣への臭気や煙の拡散を防ぐ観点からも定期的な管理が重要です。

また、消防局による指導では「清掃記録の文書化」が推奨されており、経営上のリスク対策にもつながります。

参考サイト:夏の厨房内は食品へのカビ発生に注意!顧客や店舗を守る飲食店の衛生対策について解説

汚れを防ぎやすい厨房設計

汚れを防ぎやすい厨房設計

厨房ダクトの清掃は重要ですが、そもそも汚れの発生を抑制できれば清掃負担やコストを大幅に低減できます。

効果的な油受けフードの活用

油受け付きフードは調理時に発生する油滴や油煙を初期段階で捕集でき、ダクト内部への付着を大幅に軽減する設備です。

川崎市内の多くの店舗でも採用されており、特に揚げ物中心の厨房では有効性が顕著です。

重要なのは「定期的に清掃しやすい構造」であることです。

換気フード・換気扇の適正配置

前述したように、汚れを抑えるためには「換気フード・換気扇の位置と風向計画」が欠かせません。

調理機器直上に設置するのはもちろん、作業導線を妨げず、かつ効率的に油煙を捕集できるように計画する必要があります。

また、川崎市内の店舗では、換気設備設置時に近隣への臭気拡散を抑える観点も重要です。

まとめると、

  • ・油受け付きフードの活用:調理初期で油滴を捕集し、ダクト汚れを軽減
  • ・換気フード・換気扇の適正配置:調理機器直上や気流計画を踏まえて配置
  • ・清掃しやすい構造:メンテナンス性を考慮した設備選定

これらを考慮した設計することで、油汚れを防ぎやすく、清掃しやすい厨房をつくることができます。

よくある質問

厨房ダクト清掃は法律で義務か

結論として、厨房ダクト清掃そのものを直接義務付ける全国一律の法律はありません。

しかし、前述したように建築基準法・消防法・川崎市条例などにより、換気設備を安全に維持管理する義務があります。

清掃業者選びのポイントはなにか

結論として、実績・専門資格・川崎市消防局対応実績があるかを確認することが重要です。

理由は、厨房ダクト清掃は高所作業・油汚れ除去・消防法適合点検という高度な専門性を要するからです。

油受けフードだけで十分?

結論として、油受けフードは有効な補助設備ですが、それだけでは十分ではありません。

理由は、捕集しきれなかった微細油煙がダクト内に残留し、蓄積するためです。

換気性能低下の目安は?

「換気扇の音が大きくなった」「排気口付近で臭気が逆流する」などの場合、厨房内が以前より暑く感じる場合は換気性能低下のサインです。

まとめ

厨房ダクトは、厨房の衛生・安全・快適性を維持するために不可欠な設備です。

特に油汚れは、排気効率低下、作業環境悪化、さらには火災リスクという深刻な問題を引き起こします。

川崎市多摩区のような住宅密集地域では、近隣への臭気拡散を防ぐためにも、適切な清掃・点検・維持管理が重要です。

オーソリティー空調は、登戸を拠点に地域の特性と現場ニーズを熟知した専門業者として、厨房ダクトの設計、清掃、メンテナンスまでワンストップで対応しています。

参考文献

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