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オフィスにグリーンを取り入れることでストレス軽減や集中力の向上、空間の印象アップなど多くのメリットが得られます。
本記事では、フェイクグリーンと本物植物の違いや設置効果、管理方法、壁面グリーンの活用方法まで、初めての導入でも失敗しないためのポイントを総合的に解説します。
オフィスに植物を取り入れるオフィスグリーンの需要が高まっています。
働く人々のストレス軽減や集中力向上をはじめ、空間の雰囲気を明るくし、企業のブランディングにもつながるとして注目されています。
しかし、導入にあたっては「どの植物がよいか」「手入れが大変そう」「フェイクとリアルはどちらがいいのか」など、多くの疑問が生まれがちです。
この記事ではオフィスにグリーンを取り入れる効果を科学的に解説しつつ、実際に取り入れる際のポイントやおすすめ植物、レイアウト例、壁面活用方法までを体系的にご紹介します。
オフィスグリーンには空間の見た目を整えるだけでなく、心理面・身体面にも良い影響を与えることが多くの研究で明らかになっています。
ここではその効果を3つの観点から紹介します。
植物を見るだけで心拍数が安定し、リラックス効果が得られるという研究があります。
東京大学の実験では、室内に観葉植物があるだけで被験者のストレスホルモン「コルチゾール」の分泌が減少したというデータも示されています。
たとえば、小規模なデザイン会社がオフィスの中央に植物を設置したところ、社員の休憩時間中の会話が増え、結果的に仕事の集中力も高まったと報告されています。
視界にグリーンが入ることで、目の疲れが軽減されるという点も集中力向上につながります。
博士論文 気分転換を促すオフィス環境計画についての実験的考察-仕事中の様々な場所移動効果の検討-|東京大学学術機関リポジトリ
植物には、二酸化炭素を吸収して酸素を放出する働きがありますが、それに加えて「空気中のホルムアルデヒドやトルエンなどの有害物質を吸着する能力」も備えていることが確認されています。
NASAの研究では、サンセベリアやポトスといった一般的な観葉植物が空気浄化に効果的であると発表されています。
また、植物は蒸散によって湿度を調整する役割も果たすため、冬の乾燥やエアコンによる湿度不足をやわらげる効果も期待できます。
近年では、働きやすい環境づくりの一環として、オフィスにグリーンを積極的に導入する企業が増えています。
実際に、グリーンのあるオフィスでは従業員の満足度が高く、離職率が低い傾向にあるといわれています。
たとえば、あるITベンチャーでは、グリーンを導入後に「会社の雰囲気が良くなった」「仕事へのモチベーションが上がった」といったアンケート結果が出ており、人材定着にも貢献している事例とされています。
植物の導入を検討する際、多くの人が迷うのが「フェイク(人工)にするか、本物にするか」という点です。
それぞれの違いを理解することで、目的に応じた最適な選択ができます。
本物の植物は水やりや剪定、肥料管理が必要であり、日当たりや空調の影響も受けやすくなります。
育成には手間と知識が求められるため、管理に人手を割けない職場では負担になることもあります。
一方、フェイクグリーンは設置後の手入れがほとんど不要で定期的なホコリ取りのみで美観を保てます。
初期費用はやや高くつくこともありますが、長期的に見るとメンテナンス費用が抑えられるためコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。
比較項目 | フェイクグリーン | 本物の植物 |
---|---|---|
初期費用 | やや高い | 種類による |
維持管理費 | ほぼ不要 | 水・肥料・剪定が必要 |
メンテナンス性 | 非常に高い | 専門知識が必要 |
生育の手間 | なし | あり |
見た目のリアルさ | 製品による(最近は高精度) | 自然で本物感あり |
最近のフェイクグリーンは、質感・色合いともに非常にリアルなものが増えており、パッと見では本物と見分けがつかないほどです。
光の反射や葉の陰影まで再現されている高品質な製品であれば、来訪者や社員に自然な印象を与えることができます。
ただし、香りや成長による変化、四季の移ろいといった「本物ならではの魅力」は、フェイクでは再現できません。
自然の変化を楽しみたい空間では、本物の植物が適しています。
たとえば、応接室やエントランスなど「第一印象が大事な場所」では、フェイクグリーンの造形美と手間いらずの管理性がメリットになります。
一方、執務スペースやリフレッシュエリアでは、目に優しく癒し効果の高い本物の植物が向いています。
このように、設置場所や使用目的に応じてフェイクと本物を使い分けるのが、オフィスグリーンを最大限に活かすコツです。
オフィスで使いやすく、見た目にもおしゃれな植物には特徴があります。
ここでは、育てやすさ・空間演出・季節感という3つの視点から、導入に適した植物の種類を紹介します。
オフィス環境では、自然光が不足しがちで空調の風が直接当たることも多いため、耐陰性と耐乾性のある植物を選ぶのがポイントです。
代表的なものとしてはサンスベリアやポトス、ドラセナなどがあります。
これらは直射日光を必要とせず、比較的乾燥にも強いため、管理がしやすい植物として人気です。
とくにサンスベリアは空気浄化効果でも知られており、機能性を求めるオフィスにおすすめです。
初心者や忙しい職場環境でも安心して取り入れられる、手間のかからない植物を以下にまとめました。
植物名 | 特徴 |
---|---|
サンスベリア | 乾燥に強く空気清浄効果あり |
ポトス | つる性で成長が楽しめる |
パキラ | 耐陰性がありインテリア性高い |
ザミオクルカス | 水やり頻度が少なく済む |
フィカス・ベンガレンシス | 耐久性が高く、見た目も上質 |
日常の手入れが簡単なだけでなく多少の環境変化にも耐えるため、長期的に維持しやすい点が評価されています。
一年を通して同じ印象になりがちなオフィス空間に、季節ごとの植物を加えることでリズムが生まれます。
たとえば春はミニ盆栽や花を持つ植物、秋には紅葉が楽しめる種類などを取り入れることで来訪者や社員にも心地よい印象を与えられます。
また、鉢カバーや敷石、花器などの装飾を季節ごとに変えるだけでも十分に季節感を演出できます。
オフィスにグリーンを取り入れるときは、「どこに」「どのように」置くかで印象が大きく変わります。
ここでは、おしゃれさと実用性を両立するレイアウトの工夫を解説します。
たとえば、机まわりでは小型のポット型グリーンや水耕栽培がおすすめです。集中力を保ちつつ、スペースを取らずに配置できます。
エントランスには、訪問者の第一印象を意識し、高さのある鉢植えやグリーンパネルがよく使われます。
会議室にはリラックス効果のある中型の観葉植物を設置することで、場の緊張を和らげる効果があります。
視線の高さを意識して、高・中・低のグリーンをバランスよく配置することで、空間に立体感が生まれます。
高い位置には吊り下げ型、中間には卓上サイズ、低い位置には床置きタイプの鉢植えなどを活用するのが基本です。
またエントランスから奥への動線にそって配置することで、自然と空間全体に一体感を持たせることができます。
限られたスペースでも効果的に見せるには、角や柱のくぼみを活かす設計が有効です。
壁掛けタイプや縦型のプランターを利用することで、床面積を取らずにグリーンを演出できます。
たとえば、社員休憩室の一角にミニグリーンを並べたり、パーテーションの上部にフェイクグリーンを取り付けたりするだけでも印象は大きく変わります。
壁を活かしたグリーンは、限られたスペースでもインパクトを生み出せる魅力的な方法です。ここでは、実際の取り入れ方や注意点を解説します。
これらはすべて、空間に立体感とリズムを加える演出手法です。
本格的な壁面緑化を行う「グリーンウォール」は設置にはパネルの固定・給排水管理などが必要ですが存在感は抜群です。
最近では、フェイクタイプのグリーンウォールも増えており、施工の簡略化やコストの削減が図られています。
維持管理については、人工の場合はほこり取り、本物の場合は灌水装置の設置や定期剪定などが必要になります。
壁面に植物を設置する際には、地震対策や落下防止策も重要です。
特に人の出入りが多い場所では、しっかりと固定し植物の重さにも配慮した設計が求められます。
また、火災報知器の妨げになる配置は避け、消防法や建物管理ルールに沿って施工する必要があります。
導入した後の運用を考えることは、長期的な満足度に直結します。
ここでは、管理体制とコストを抑える方法について解説します。
自社で育成管理を行う場合、植物好きのスタッフや担当者を配置することが理想ですが、業務負担になることもあります。
一方グリーンレンタル業者を利用すると、月額制で設置・交換・メンテナンスまで一括で任せることができ、管理リスクを軽減できます。
植物選定の段階で、「ローメンテナンスな種類を選ぶ」「フェイクと併用する」「設置場所を最小限に絞る」などの工夫をすることで、年間の費用を抑えることが可能です。
また、複数のスペースに同じ品種を使うと、管理方法の統一によって業務効率も向上します。
最後に、導入をスムーズに行うための設計・社内調整・法令面の留意点について触れておきます。
設置場所が人の移動を妨げないか、視界の妨げにならないかは重要です。
特に共用スペースでは、視線の抜け感や通行のしやすさを確保するように配置を工夫します。
「なぜグリーンを導入するのか」を明確にしたうえで、従業員や関係者に共有することで導入への理解と協力が得やすくなります。
企業カラーやブランドイメージに合った植物・レイアウトを選ぶことも、統一感ある空間づくりにつながります。
消防法の観点から避難経路や火災報知器・スプリンクラーの周囲には植物を設置しないようにするなど、事前にビル管理者や設備担当者と確認が必要です。
火の近くにフェイクグリーンを置くのもNGです。
オフィスグリーンは、職場環境の改善・従業員満足度の向上・企業ブランディングなど多面的な効果をもたらします。
フェイクと本物の違いを理解し、空間に合った植物や配置を検討することが重要です。
手間をかけずに取り入れたい方も本記事を参考に、自社に合ったスタイルでぜひ導入をご検討ください。
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