換気設備 2025.04.26

高機能換気設備の導入方法と脱臭効果を解説

高機能換気設備の導入方法と脱臭効果を解説

「なぜかいつも部屋がジメジメする…」「お客様のタバコ臭がなかなか抜けない…」「厨房の油煙が店内に漏れてしまう…」このようなお悩みを抱えていませんか?

一般的な換気設備では、室内の不快な臭いや湿気を完全に解決することは難しい場合があります。しかし、そこで注目されているのが高機能換気設備です。

この記事では、単に空気を入れ替えるだけでなく、強力な脱臭効果と優れた湿気対策を両立する高機能換気設備について解説します。なぜ通常の換気では限界があるのか、高機能換気設備がどのようにして快適な空間を創造するのか、その具体的なメカニズムから選び方、設置方法まで、プロの視点で分かりやすくご紹介。

あなたの店舗やオフィス、ご自宅を、まるで別世界のようなクリーンで心地よい空間へと変えるためのヒントがここにあります。

高機能換気設備が脱臭・湿気対策に効果的な理由

高機能換気設備が脱臭・湿気対策に効果的な理由

高機能換気設備は単なる換気扇とは異なり、高度なフィルター技術と熱交換システムにより、効率的に室内の臭気成分と湿気を除去します。

特に排気と給気を同時に行う全熱交換型換気は、熱ロスを抑えながら計画的な換気を実現し、高性能フィルターと組み合わせることで高い脱臭効果を発揮。

カビや結露の原因となる湿気も効果的に排出し、快適かつ健康的な室内環境を維持する上で不可欠な存在です。

なぜ通常の換気では不十分なのか

一般的な換気設備や窓開け換気だけでは、特定の臭気や高湿度の問題を根本的に解決できない場合があります。

臭気発生源への対策不足と換気ムラ

窓開け換気では風向きや気密性の影響で換気にムラが生じやすく、特定の場所にこもった臭いを効率的に排出できません。

また、脱臭フィルターを持たない換気扇では、臭気成分を根本的に分解・除去することは困難です。

外気の影響と熱・湿気ロスの課題

通常の換気は外気の影響を直接受けるため、夏は暑い空気、冬は冷たい空気がそのまま室内に入り込み、冷暖房効率が著しく低下します。

また、高湿度の外気が流入することで、かえって室内の湿度が上昇するリスクもあります。

高機能換気設備の脱臭メカニズムを解説

高機能換気設備は、特殊なフィルター技術や空気清浄機能を搭載することで、臭気成分を効果的に除去します。

活性炭フィルターによる強力な吸着脱臭

多くの高機能換気設備は、活性炭フィルターを内蔵しています。

活性炭は多孔質構造を持ち、臭いの元となる分子を物理的に吸着することで、空気中の不快な臭気を強力に除去します。

これにより、タバコ臭、ペット臭、生活臭、調理臭などに高い効果を発揮します。

その他の脱臭技術と空気清浄機能

光触媒技術やイオン発生装置などを組み合わせることで臭気成分の分解を促進したり、空気中の浮遊ウイルスや菌を抑制したりする製品もあります。

これらの技術は、単なる換気では得られない、より高度な空気質の改善に貢献します。

湿気対策に貢献する熱交換システムの利点

高機能換気設備、特に全熱交換型換気は、湿気対策において大きな強みを発揮します。

全熱交換器による熱と湿度の同時回収

全熱交換型換気設備は、室内の排気と外からの給気を同時に行いながら、熱だけでなく湿度も交換します。

これにより、夏の湿った外気からは湿気を回収し、冬の乾燥した外気には室内の湿気を付与することで、一年を通して室内の湿度を快適なレベルに保ちやすくなります。

結露・カビの抑制と健康的な室内環境

適切な湿度管理は結露の発生を抑え、カビやダニの繁殖を防ぐ上で非常に重要です。高機能換気設備は湿気対策を通じて快適なだけでなく、アレルギーや呼吸器疾患のリスクを低減する健康的な室内環境の維持に貢献します。

高機能換気設備の機種と設置を推奨する業態

三菱:ロスナイ


1970年、世界で初めて、紙でできた熱交換形換気機器(静止形)として、開発・発売したロスナイ。CO2(温室効果ガス)削減とエネルギー削減(節電)に貢献します。換気の重要性の注目が高まる昨今、お客様の「換気の困りごと」を解決し、ワンランクアップした室内環境に貢献する換気機器です。
引用元:ロスナイとは|三菱電機 空調・換気・衛生

ロスナイのフィルター技術

ロスナイでは標準装備で外気清浄フィルターが搭載されています。

このフィルターは屋外の10μm以下の粒子を約80%以上カットし、室内へ屋外のホコリや花粉を入りこまさずに清潔な空気を取り入れ具ことができます。

また別売りで「微小粒子用フィルター」「高性能除塵フィルター」「NOxフィルター」の3つのフィルターがあり、それぞれ用途によって使い分けることができます。

ダイキン:ベンティエール


室内の空気と外気を入れ替えるための換気設備において、室内から屋外へ排気する空気から熱・湿度を回収して、新たに屋外から取り入れる外気に移す温湿度交換により室内温度を保ち、換気に伴う冷暖房熱のロスを抑えるタイプの機器を全熱交換器と呼びます。全熱交換器はエアフィルター、エレメント(熱交換ユニット)、送風機などで構成されています。
引用元:全熱交換器(ベンティエール)とは|全熱交換器ユニットのメンテナンス|空調メンテナンスサービス|ダイキン工業株式会社

ベンティエールのフィルター技術

ベンティエールでは高性能エアフィルターを採用しており、屋外から取り込む外気の花粉や粉塵などのホコリをフィルターで吸着させ室内に入り込ませません。

また、ベンティエールのフィルターはお手入れが簡単で「かんたん操作リモコン」でフィルター清掃の時期をお知らせしてくれます。

高機能換気設備の導入を勧める業態

高機能換気設備の導入を勧める業種は以下の6つです。

  1. 1.レストラン・カフェ
  2. 2.介護施設
  3. 3.ペットショップ・動物病院
  4. 4.病院・クリニック
  5. 5.美容室・理容室
  6. 6.フィットネスジム

それぞれ理由を解説していきます。

レストラン・カフェ

レストランやカフェでは、注文に応じて調理をしますので、その際にニオイや煙が立ちます。

そのため、ニオイや煙が店内に充満しないように消臭しながら除去する必要があります。

介護施設

介護施設利用者は高齢の方が多くあつまり、それぞれの方からの生活臭が発生し、入居者によっては寝たきりであったり、要介護が必要な方もいるため様々なニオイが発生します。

また介護施設利用者の健康面での安全性を考慮し、施設内の空気は清潔な環境を維持し、入居者やスタッフの快適性を確保する必要があります。

ペットショップ・動物病院

ペットショップでは、犬や猫など様々な動物や排泄物のニオイがどうしても発生してしまいます。

動物病院では、病院内に集まった動物たちからニオイが発生します。さらに病院内でも薬剤やアルコールなど特有のニオイが発生するため除去する必要があります。

病院・クリニック

病院やクリニックも、消毒薬や薬剤などの独特なニオイが発生しますので、それらを除去する必要があります。

また病院やクリニックでは、体調不良の方が多く訪れますので、空気環境は常に清潔に保ち二次感染を防ぐ必要があるため、行為脳換気設備が必要です。

美容室・理容室

美容室、理容室ではヘアカラーの染色材やパーマ剤のニオイを消臭する必要があります。

また消臭以外でも洗髪、ドライヤーで発生する湿気も排出する必要があります。

フィットネスジム

フィットネスジムでは利用者が運動し汗をかくことで体臭が発生します。

また複数の利用者が同時に運動をすることで、ジム内の二酸化炭素濃度も上昇し、清潔な空気環境を維持する必要があります。

高機能換気設備の導入で効率的に換気をすることによって、健康被害の防止や脱臭効果などが期待できます。

高機能換気設備による具体的な脱臭・湿気対策

高機能換気設備は用途に応じた選び方と設置方法で、様々な室内環境の課題を解決します。

客室のタバコ臭には大風量・高脱臭フィルター型、厨房の油煙には強力な排気と活性炭フィルター併用型、住宅の湿気・カビ対策には全熱交換型が有効です。適切な換気量を確保し、フィルターメンテナンスを定期的に行うことで、最大の効果を発揮し、快適な空間を持続させられます。

客室・喫煙スペースのタバコ臭対策

タバコの臭いは粒子が細かく、強力な脱臭対策が必要です。

大風量換気と高性能脱臭フィルターの併用が鍵

客室や喫煙スペースでは、高い換気回数(通常5回/時以上)を確保できる大風量換気扇と、活性炭フィルターを複数段備えた高効率脱臭フィルターユニットの併用が効果的です。給気側にも脱臭フィルターを設けることで、外気の不純物侵入も防げます。

負圧換気による臭気の拡散防止

喫煙スペースでは、排気量を給気量より多く設定し、室内をわずかながら負圧にすることで、臭気が隣接する非喫煙エリアに漏れ出すのを防ぐことができます。これは、臭気対策の基本原則です。

厨房・飲食店の調理臭・油煙対策

厨房から発生する調理臭や油煙は、特に強力で専門的な対策が求められます。

グリスフィルターと活性炭フィルターの多段設置

厨房では、まず油煙を除去するグリスフィルターが必須です。さらに、強力な調理臭(焼肉、揚げ物など)対策には、グリスフィルターの後段に大容量の活性炭フィルターを多段に設置することで、臭気成分を効率的に吸着除去します。

局所排気と全般換気の組み合わせ

発生源である調理機器の真上にフードを設置し、強力に排出する「局所排気」と厨房全体の空気を入れ替える「全般換気」を組み合わせることで、効率的な油煙・臭気対策が可能です。

一般住宅・オフィスでの湿気・結露・カビ対策

住宅やオフィスでは、居住者の健康と建物の維持管理の観点から、適切な湿気対策が不可欠です。

全熱交換型換気による湿度コントロール

一般住宅やオフィスでは年間を通して快適な湿度環境を維持するために、全熱交換型換気設備が非常に有効です。

外気と室内の湿度交換を行うことで、除湿器に頼りすぎずに室内の湿度をコントロールし、結露やカビの発生を抑制します。

適正な換気量と24時間換気の重要性

建築基準法に基づく24時間換気システムの導入に加え、居住人数や活動量に応じた適切な換気量を確保することが重要です。これにより、空気中の水蒸気が滞留することなく常に排出され、湿気対策につながります。

高機能換気設備の選び方と設置

高機能換気設備の導入を勧める業種

高機能換気設備を選ぶ際は、目的(脱臭か湿気対策か)、必要な換気量、フィルターの種類とメンテナンス性、設置スペース、そしてランニングコストを総合的に考慮することが重要です。

設置は専門知識を要するため、実績のある業者に相談し、適切な設計と施工を行うことで、最大の効果と長期的な快適性を実現できます。

導入目的別の換気設備の種類と特徴

高機能換気設備には様々なタイプがあり、目的によって最適な選択肢が異なります。

脱臭重視ならフィルター種類と交換頻度を確認

脱臭効果を最重視するなら、活性炭フィルターの性能(吸着容量、寿命)や交換のしやすさを確認しましょう。フィルター面積が大きいほど脱臭能力が高く、交換頻度も長くなりますが、イニシャルコストやランニングコストも上がります。

湿気対策重視なら全熱交換型の有無が重要

湿気対策を重視するなら、外気と室内の湿度を交換する全熱交換型換気設備が必須です。特に、加湿・除湿機能が搭載されたタイプは、より高度な湿度コントロールが可能です。

適切な換気量とフィルターメンテナンスの重要性

設備の能力を最大限に引き出し、効果を維持するためには、換気量とメンテナンスが重要です。

必要換気量の計算方法と設置台数

室内の広さ、用途、人数、発生する臭気や湿気の量に基づいて、必要な換気量を正確に計算することが重要です。換気回数(回/時)を基準に、最適な設置台数や機種を選定します。

一般的な換気回数と必要換気量の目安
  • ・一般住宅:0.5回/時(建築基準法)
  • ・オフィス:1.0回/時
  • ・飲食店(客室):5~10回/時
  • ・喫煙室:10回/時以上
  • ・厨房:20~30回/時

参考サイト:必要換気量の求め方|三菱電機 空調・換気・衛生

フィルター交換・清掃の頻度と方法

高性能なフィルターも定期的な清掃や交換を怠ると効果が著しく低下します。製品ごとの推奨交換頻度を確認し、メンテナンス計画を立てることが重要です。フィルターの目詰まりは換気効率の低下だけでなく、機器の故障にもつながります。

設置スペースと工事費用の目安

導入を検討する上で、設置場所の確保と費用は重要な要素です。

設置可能なスペースの確認と排気経路の確保

高機能換気設備は本体サイズが大きいため、天井裏や壁面、床下などに設置スペースが必要です。また、給気口や排気口、ダクトの配管経路も考慮し、効率的な空気の流れを確保できるかを確認します。

導入費用とランニングコストの目安

初期費用は設備の性能、規模、設置工事の難易度によって大きく異なります。ランニングコストとしては、電気代とフィルター交換費用が主なものです。省エネ性能の高い製品を選ぶことで、長期的なコストを抑えることができます。

よくある質問

高機能換気設備は電気代が高いイメージがありますが、実際はどうですか?

全熱交換型の高機能換気設備は、省エネ性に優れており、通常の換気と比較して電気代を抑えられる場合があります。

全熱交換器は、排気の際に捨てていた熱や湿度を回収し、給気する外気に移すため、冷暖房負荷を大幅に軽減できます。これにより、エアコンの電気代を節約できるため、換気設備自体の電気代を含めてもトータルでコストを抑えられる可能性があります。

導入機種の消費電力や建物の断熱性能、冷暖房の設定温度によってランニングコストは変動します。

自宅の特定の部屋だけ脱臭・湿気対策をしたいのですが、部分的な設置は可能ですか?

可能です。部屋単位で設置できる小型の高機能換気設備や、局所的な換気扇を導入できます。

全館換気システムだけでなく、局所的に設置する壁掛け型や天井埋込型などのタイプも存在します。例えば、リビングのペット臭対策、寝室の湿気対策など、特定の部屋の課題に特化した設備を選べます。

部屋の広さや臭気のレベルに応じて最適な機種を選びましょう。換気効率を最大化するには、給気と排気のバランスが重要です。

フィルターの交換は自分でもできますか?

製品にもよりますが、多くの機種で簡単なフィルター清掃や交換はユーザー自身でも可能です。フィルターは定期的なメンテナンスが不可欠な消耗品であり、清掃や交換が容易な設計になっている製品が多いです。取扱説明書に従えば、特別な工具なしで作業できます。

ただし、本体内部の清掃や専門的な部品交換は専門業者に依頼することが推奨されます。無理な作業は故障の原因となるため注意が必要です。

飲食店で高機能換気設備を導入する際の注意点は?

厨房と客室で異なる要件に対応し、専門業者との綿密な打ち合わせが必須です。厨房は油煙と高温・高湿、客室はタバコ臭や体臭など、発生する臭気の種類やレベルが全く異なります。そのため、それぞれに特化した換気設備を選定し、空気の流れを考慮した適切な設計が必要です。

特に、排気能力不足や排気ダクトの設置不良は、臭気漏れや近隣トラブルの原因となります。

消防法などの法令遵守も重要です。排気設備の防火ダンパー設置など、専門的な知識が求められます。

まとめ

この記事では、高機能換気設備が室内の脱臭・湿気対策にどのように効果を発揮するのか、そのメカニズムから具体的な対策、そして選び方や設置のポイントまでを詳細に解説しました。

通常の換気では解決が難しかった「不快な臭気」や「過剰な湿気」といった問題は、高機能換気設備を導入することで劇的に改善されます。特に、活性炭フィルターによる強力な脱臭効果と、全熱交換器による効率的な湿度コントロールは、快適で健康的な室内環境を実現する上で不可欠な要素です。

客室のタバコ臭、厨房の調理臭、住宅の結露やカビなど、具体的な課題に応じた最適な設備を選ぶことが重要です。あなたの店舗やオフィス、ご自宅を、より快適で清潔な空間へと変えるために、ぜひ高機能換気設備の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

設置を検討する際は、専門知識を持つ業者に相談し、適切な設計と施工を行うことで、最大の効果と長期的な安心を得られるでしょう。

参考文献

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川崎市の空調換気設備の取付工事業者 川崎市の空調換気設備の取付工事業者

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