内装デザイン 2026.01.15

ラウンジの内装が顧客体験を向上させる!設計デザインが与える顧客満足度について解説

ラウンジの内装が顧客体験を向上させる!設計デザインが与える顧客満足度について解説
この記事のPOINT

ラウンジやスナックの内装デザインは単なる視覚的な装飾ではなく、顧客の満足度やリピート率を左右する戦略的な要素です。

非日常を演出する色彩や素材選び、長時間滞在しても疲れない家具配置、さらには快適な空調や換気といった目に見えないインフラ設計が統合されることで、質の高い顧客体験が生まれます。ターゲット層に合わせたスタイルを選定し、オペレーション効率とホスピタリティを両立させる設計こそが、店舗の長期的な収益性を支える基盤となります。

 

ラウンジやスナックを訪れる顧客が求めているのは、単なる飲食の提供だけではありません。日常の喧騒を離れ、特別な時間を過ごすための空間そのものが提供価値の核心となります。内装デザインがその期待を裏切れば、たとえ接客が優れていても再訪意欲は削がれてしまうでしょう。

一方で現場では「おしゃれにしたいが、スタッフが動きにくい」「タバコの臭いや空調の効きが悪く、顧客が早く帰ってしまう」といった実務的な悩みが散見されます。この記事では顧客体験を最大化するためのデザイン戦略から、実用性と収益性を両立させる設計のポイントまで、現場視点で詳しく解説します。

顧客体験を最大化する内装デザイン

顧客体験を最大化する内装デザイン

内装デザインは顧客が店舗に足を踏み入れた瞬間の第一印象を決定づけ、その後の滞在中の心理状態に強く影響を与えます。

ラウンジにおいて顧客体験(CX)を最大化するとは、顧客が「大切に扱われている」と感じ、自己重要感を高められる空間を構築することに他なりません。設計の段階から、顧客の目線がどこに止まり、どのように感じるかを計算することが、満足度向上のための戦略となります。

ReAirが手がけたラウンジの内装デザイン実績

成功しているラウンジには共通して明確なデザインコンセプトがあります。例えば都心の高級ラウンジでは、あえて天井を低く設定し、間接照明を多用することで、プライベート感を強調した隠れ家のような空間を演出する事例が多いです。

一方、会員制のビジネスラウンジでは、重厚な木目調のパネルとレザーのソファを組み合わせ、信頼感と格式を重んじるデザインが採用されます。これらの例から分かるように、店舗の「格」や「目的」に合致した素材と意匠の組み合わせが、顧客の納得感を生む土台となります。以下ではReAirが手がけたラウンジ、スナックなどの実績を紹介します。

Hookah Rabbit/飲食店

Hookah Rabbit:店内全景

上質で落ち着きのあるラウンジ空間

グリーンとゴールドをベースに構成。居心地を考え抜いたプライベートで価値ある時間を届ける空間です。

Hookah Rabbit:内装ディテール

コンセプトを象徴する色彩計画

深みのある色使いとライティングにより、シーシャを楽しむための幻想的な雰囲気を醸成しています。

Hookah Rabbit:ソファ席

くつろぎを追求した家具配置

各所に座り心地の良いソファを配置し、長時間の滞在でもリラックスできるよう設計されています。

Hookah Rabbit:サニタリー

細部まで統一された意匠

トイレなどの付帯設備に至るまで、店舗全体のトーン&マナーに合わせたデザインを徹底しました。

業態
飲食店
所在地
東京都港区
竣工
2022.12
工事種別
設計監理/内装デザイン
延床面積
48.86㎡
設計デザイン
GARAN inc.

Shisha Lounge ARIANA/飲食店

Shisha Lounge ARIANA:店内全景

ストリートのエッセンスが光る空間

3階建ての建物全てをフルリノベーション。カラフルな光とグラフィティーペイントにより、エッジの効いた内装に仕上げました。

Shisha Lounge ARIANA:ライティング

没入感を高める色彩計画

シーシャのためのCBDを自社開発するブランドならではの、独自の世界観をライティングで表現しています。

Shisha Lounge ARIANA:内装ディテール

アートが融合するラウンジ設計

壁面のグラフィティーを活かした設計。設備機器も空間のノイズにならないよう、配置と意匠に配慮しました。

Shisha Lounge ARIANA:ロゴ・外観

ブランドの個性を象徴する設え

外観からサイン計画に至るまでトータルで監修し、通りからも目を引くアイコン的な店舗を実現しています。

業態
飲食店(シーシャバー)
所在地
東京都港区
竣工
2022.06
工事種別
設計監理/内装デザイン
延床面積
93.59㎡
設計デザイン
GARAN inc.

Assembler/飲食店(社員専用レストランバー)

Assembler:カウンター全景

下水道の奥にある「秘密基地」がテーマ

バッドマンケイブを彷彿とさせるIT会社専用のレストランバー。曲線レイアウトと特殊塗装により、圧倒的な没入感を生み出しています。

Assembler:光るカウンター

小口まで光るR型の石造カウンター

試行錯誤を重ねて制作した石加工のカウンター。小口から溢れる光が、重厚感の中に近未来的な存在感を醸し出します。

Assembler:内装テクスチャ

質感を追求したモルタル造形

各所にモルタル造形と特殊塗装をふんだんに取り入れ、リアルな「秘密基地」の世界観を細部まで構築しました。

Assembler:サニタリー

非日常を徹底するレストルーム

トイレや手洗い場に至るまでコンセプトを一貫。社員同士のコミュニケーションを活性化させる特別な空間です。

業態
飲食店(社内バー)
所在地
東京都港区
竣工
2022.05
工事種別
設計監理/内装デザイン
延床面積
62.53㎡
設計デザイン
GARAN inc.

LUXURY BAR QUAR2/飲食店(ラグジュアリーバー)

LUXURY BAR QUAR2:カウンター全景

歌舞伎町に佇む洗練された「大人の社交場」

ネイビーとグレーを掛け合わせたラグジュアリーかつ上品な空間デザイン。新宿の喧騒を忘れさせる落ち着いた雰囲気を演出しました。

LUXURY BAR QUAR2:ライティング演出

空間を引き締める「光のライン」

全体の照度を絞る一方で、床・壁・天井に効果的な光のラインを配置。メリハリのある照明設計で空間の広がりと奥行きを生んでいます。

LUXURY BAR QUAR2:ソファー席

素材感と色使いによる気品ある仕上がり

グレーのテクスチャ壁と深いネイビーのコントラスト。計算されたインテリア配置により、少人数から団体まで対応可能な上質空間を構築。

LUXURY BAR QUAR2:サニタリー

ディテールまでこだわったレストルーム

手洗い場やトイレに至るまでラグジュアリーなコンセプトを徹底。ゲストが滞在中のあらゆる瞬間で価値を感じられる設計です。

業態
飲食店(バー)
所在地
東京都新宿区
竣工
2021.04
工事種別
設計監理/内装デザイン
延床面積
48.9㎡
設計デザイン
GARAN inc.

このほかにも多数実績がございますので、詳しくは以下からご覧ください。

その他施工実績はこちら

非日常を演出する色彩計画と素材選定

非日常的な空間を創るためには、色彩と素材の選定が極めて重要です。ラウンジでは、落ち着きを与えるダークトーンやゴールド、真鍮(しんちゅう)といった光沢のある素材をアクセントに用いることで、リッチな雰囲気を演出します。

また、壁面に凹凸のあるタイルや織物調の壁紙を使用すると、照明を当てた際に深みのある陰影が生まれ、空間に立体感が加わります。安価な素材であっても、視覚的な質感を統一することで、顧客の心理的な満足度を高めることが可能です。

滞在時間を延ばすレイアウト

顧客の滞在時間は、客単価に直結する重要な指標です。長時間座っても疲れにくいソファの座面高(SH)や、グラスを置きやすいテーブルとの距離感は、人間工学的な視点で設計されるべきです。

一般的にラウンジでは、膝が腰よりも少し高い位置に来る低めのソファがリラックス効果を高めると推測されています。通路幅を十分に確保しつつ、隣の席との視線を遮るレイアウトを組むことで会話に没頭できる環境が整い、結果として滞在時間が延長されます。

ブランド価値を決定づけるエントランス

店舗の扉を開ける前の高揚感、すなわち「期待感」をいかに醸成するかが、ブランド価値を左右します。エントランスは単なる通路ではなく、日常から非日常へ切り替えるための境界線です。

例えば、あえて入り口付近の照明を落とし、奥に広がる煌びやかな店内を少しだけ覗かせる演出などが効果的です。ロゴ看板の素材や照度一つとっても、その店舗のサービスの質を象徴するものであるため、最も投資価値が高い箇所の一つと言えます。

収益性と実用性を両立させる設計

収益性と実用性を両立させる設計

見た目が美しいだけのデザインは、店舗経営を継続させる上では不十分です。

スタッフがストレスなく動ける動線設計や、顧客が不快に感じない空気環境(換気・空調)といった実用面が整って初めて、デザインは収益に貢献します。特にラウンジは目に見えないインフラ設計の成否が、店舗の寿命を決定づけます。

接客効率を最大化する動線設計

キャストやスタッフがスムーズにドリンクを提供できる動線は人件費削減とサービス品質向上に直結します。

カウンター内の作業スペースの幅や製氷機へのアクセスなど、数センチ単位の調整が疲労度を左右します。顧客動線とスタッフ動線の交錯が少ない設計を目指すことが、現場運営における実務的なポイントです。

居心地の良さを支える空調設備と換気計画

ラウンジにおいて「空調が直接当たる」「タバコの煙がこもる」という状態は致命的な満足度低下を招きます。空調の吹出口は客席を直撃しない位置に配置し、温度ムラが出ないよう配慮すべきです。

また、喫煙可能店にする場合は改正健康増進法による厳格な換気基準をクリアする必要があります。設計の初期段階で設備容量を確認することが、手戻りや余計なコストを防ぐ最大の防御策となります。

経年劣化を味に変えるメンテナンス性の高い内装材の選定

開業時は美しくても、数年でボロボロになる素材は経営を圧迫します。テーブルの天板には防汚処理が施された素材を床材には摩耗に強く清掃が容易な素材を選定しましょう。一方で、革や真鍮、天然木など「使い込むほどに風合いが増す」素材を適切に配置することで、経年劣化を店舗の歴史としてポジティブに変換することが可能になります。

五感を刺激する細部の造作

五感を刺激する細部の造作

顧客満足度の最後の一押しをするのは、視覚以外の感覚に訴える「細部の造作」である場合が多いです。光の揺らぎや清潔な化粧室といった要素が統合されることで、顧客は「ここは自分に相応しい場所だ」と無意識に感じ、高単価な注文や次回の予約という行動に移ります。

調光・調色機能が顧客の心理状態に与える影響

照明の明るさと色は人間のリラックス状態を直接的に左右します。ラウンジでは、夜間の低い色温度(暖色の光)へと段階的に切り替えることで落ち着きを促します。暗すぎず、かつプライバシーが守られる絶妙な暗さを演出することが、客単価向上の秘訣です。時間帯別のシーン設定ができる調光システムの導入を検討すべきです。

酒類を美しく見せるバックバーのライティング手法

バックバー(カウンター奥の棚)は店舗の祭壇のような存在です。ボトルを棚の下から照らすアッパーライトや背後からの透過照明は、酒の液体の美しさを強調し、顧客の購買意欲を刺激します。商品を単なる在庫としてではなく、空間を彩るアートとして扱う設計が求められます。

競合店と差がつくサニタリー空間の設計

サニタリー(化粧室)の質は、店舗全体の評価を決定づけます。たとえ店内の内装が豪華であっても、化粧室が狭くて暗く、清潔感に欠ければ顧客の評価は一気に失墜します。アメニティの充実やパウダースペースの確保など、女性客やVIP客が「一息つける場所」として設計すべきです。

よくある質問

Q. 高級ラウンジの内装コストを抑えつつ質感を出す方法はありますか?

A. 顧客の「手に触れる部分」と「視線の高さ」に予算を集中させるのが実務的なコツです。例えば、床材や天井は比較的安価なものであっても、カウンターの天板や椅子の張地といった直接触れる部分に本物の高級素材を使うことで、空間全体の質感を高く認識させることができます。間接照明を効果的に配置し、あえて影を作る手法も有効です。

Q. 内装を改装する際、空調や換気の設備も同時に見直すべきですか?

A. 強くお勧めします。むしろ内装より先に検討すべきです。ラウンジの満足度を支えるのは、最終的には「空気環境」です。内装工事は壁や天井を剥がす絶好の機会であるため、このタイミングで空調の清掃や配管の更新を行うのが、最もコストパフォーマンスが高く、将来のトラブルを防ぐ選択となります。

Q. スナックで「モダンスタイル」を取り入れるメリットは何ですか?

A. 顧客層の若返りと、新規客が抱く「入りにくさ」の解消に直結します。伝統的なデザインは一見客にとってハードルが高いことがありますが、モダンな要素を取り入れることで安心感を与えられます。

常連客の居心地を損なわない程度にエントランスやカウンター回りにモダンな意匠をミックスすることが、店舗の長期的な生存率を高める戦略になります。

まとめ

ラウンジやスナックの内装デザインは、単に店舗を美しく見せるためのものではなく、顧客体験を深化させ、収益を持続させるための重要なビジネス基盤です。色彩や素材による非日常の演出、人間工学に基づいた家具の選定、そして空調・換気といった目に見えない快適性の確保。

これらが高度に融合することで、顧客満足度は飛躍的に向上し、リピートという形での成果に繋がります。

しかし、実際の設計においては、内装の見た目を決定する前に、まずは専門家による現場のインフラ診断(空調容量や換気経路の確認)を行うことが、結果として無駄なコストを省き、理想の店舗を実現する近道となります。

ReAirでは、デザインと実用性を両立させたラウンジの空間づくりをサポートしています。現状の不満や、これからのビジョンについて、まずは一度お気軽にご相談ください。

参考文献

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