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夏場の厨房環境は高温・多湿でカビが繁殖しやすく、飲食店にとって食品安全上の大きなリスクとなります。
カビは食中毒や異物混入だけでなく、保健所通報、営業停止など経営への打撃にも直結します。
この記事では、飲食店におけるカビ発生の主な原因、法的基準やその根拠、実践可能な具体的予防策、HACCP(ハサップ)にも通じる衛生管理方法を解説します。
目次
厨房の衛生状態に対する通報は年々増加しており、これを正しく理解し未然に防ぐことが重要です。
飲食店の衛生状態は食品衛生法に基づき管理され、特に「調理場の清潔保持」が義務です。
たとえば、油汚れの蓄積、排水溝の不衛生、調理器具の洗浄不良はカビだけでなく雑菌繁殖や害虫誘引の原因になります。
こうした状態は「食品等の衛生的取扱義務違反」とみなされ、保健所が立入検査を行う正当な理由になります。
ここで気づくべきは「日常的に清掃をしているつもりでも、構造的に掃除が届いていない部分がある」という点です。
見える範囲の衛生だけでなく、隠れた場所の状況まで意識する習慣が重要です。
カビは単に湿気があるだけでなく、環境条件が複合的に整うことで急激に増殖します。
ここでは厨房内でカビが発生する主な原因を具体的に解説します。
厨房は加熱調理により多量の水蒸気が発生し、空気中の湿度が高くなります。
特に夏場は外気湿度も高く、換気扇の能力不足や適切に換気が行われていない状況では湿度が70%を超えることもあり、カビにとって理想的な環境になります。
ここで注目すべきは「温度と湿度の組み合わせ」にあります。25℃以上で湿度70%以上の環境は、カビの爆発的増殖が起こりやすいとされています。
湿度管理の意識だけでなく、厨房内の熱源配置や換気経路まで考慮した設計改善が重要です。
床や排水溝、壁面に蓄積した油汚れや食品の食べ残しや廃棄物はカビの栄養源になります。
特に油と埃が混じった汚れは乾燥していてもカビの胞子が付着・繁殖しやすい場所です。
例えば「毎日の清掃リストに排水溝トラップの洗浄が含まれているか」を見直すことで、見落としがちな汚染源を把握できます。
カビは食品にも直接発生します。
冷蔵庫内の過密収納による通気不良、包装の不適切さ、賞味期限切れの食材残置がその典型例です。
ここで意識すべきは「冷蔵庫自体がカビの温床になるリスク」であり、定期的に棚板の分解洗浄やゴムパッキン部の拭き上げまで行うことが不可欠です。
カビの問題は単に見た目の印象だけではありません。
実際にどのような営業リスクに直結するのかを理解することで、対応意識を高めることが重要です。
一部のカビは「マイコトキシン」という有害な二次代謝産物を生成し、食中毒の原因になります。
厚生労働省が定める基準でも、食品のカビ汚染は厳格に管理すべき衛生問題と位置づけられています。
厨房内のカビ胞子は空気中に舞いやすく、調理中に料理に付着すれば異物混入として苦情や保健所通報を招きます。
保健所は衛生基準の違反を認めた場合、指導に加えて「営業停止」や「営業許可取消し」まで命じる権限を持っています。
営業停止は短期間であっても売上だけでなく、スタッフ雇用や顧客信頼の面で深刻な損失をもたらします。
さらに店舗のネット上評価にダメージが残り、長期的影響に発展することも少なくありません。
以下からは、すぐにできる具体的な防止策を解説します。
誰でも実践できる方法に加え、管理責任者が気をつけるべき点に触れて解説します。
厨房内は温湿度計を常設し、1日2回以上の記録を残す習慣が有効です。
たとえば、朝営業前とピーク時後の記録を行えば、1日の中での湿度上昇傾向を把握できます。
換気扇は機器容量に余裕を持たせた設計が望ましく、外気湿度が高い日は補助的に除湿機を使用することも有効です。
ここでの気づきは「湿度管理のための意識が“点検・確認作業”として業務の一部になっているかどうか」が重要という点です。
清掃業務は「可視化」「分担」「確認」の3つを柱に運用します。
たとえば、壁や天井角、厨房機器裏などは月次清掃項目として、担当者・日付を明示した記録表に記入させることで抜け漏れを防げます。
この仕組み自体が「汚れがあれば即座に改善できる」店舗文化を築くことができます。
具体的には以下が重要な点検箇所です。
これらは「目視チェックリスト」に組み込むだけで、日常点検の精度が格段に高まります。
万が一カビが発生した場合でも、適切な対応と再発防止策を実施すればカビの繁殖を防げます。
カビを見つけた際は「乾いた布でこすらず、胞子を飛散させない」ことが基本です。
まずは消毒用アルコールを含ませたペーパーで湿らせながら丁寧に拭き取ります。
さらに、発生箇所周辺の壁面や隙間にも胞子が広がっている可能性があるため、半径50cm程度の範囲も消毒清掃を行うと効果的です。
再発防止には「原因の特定と除去」が欠かせません。たとえば、排水溝からの湿気が原因なら、排水トラップの破損や劣化がないか点検し、補修・交換まで実施します。
ここで重要なのは「単なる清掃で終わらせず、発生要因を突き止める視点」です。
以下の状況が見られる場合は、迷わず清掃業者に相談することが推奨されます。
自力での清掃は完全にカビを除去し切ることが難しく、清掃にかける時間的なロスとカビの再発リスクを高める可能性も否定できません。
そのため、専門業者へ依頼することで、安全・確実にカビを除去することができます。
HACCP(ハサップ)は、食品の安全性を守るための国際的な衛生管理手法です。
日本では2021年から食品関連事業者に対して原則義務化されています。
HACCPを理解し実践することは、単なるルール遵守だけでなく、カビ対策を含む包括的なリスク管理に直結します。
HACCPは「Hazard Analysis and Critical Control Point」の略称で、「危害要因分析」と「重要管理点」の2つの要素が核です。
つまり、どの工程で食品の安全に対する危険が生じる可能性があるかを分析し、その危険を防止・除去・低減するために特に重要な工程(Critical Control Point:CCP)を決めて管理します。
たとえば、厨房での「カビ発生」というリスクは、HACCPでは湿度管理・温度管理・清掃状態などがCCPに該当します。
この仕組みによって「どの作業工程を重点的にチェックすれば安全を維持できるか」を明確化できます。
中小飲食店に対しては「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」が求められています。
これは大規模事業者のような複雑な手順ではなく、厨房内の危険要因を洗い出し、日々記録し、継続的に見直すことが基本です。
具体的には以下のような実践が含まれます。
カビ対策においても湿度・清掃・保存環境といった要素が「重要管理点」として位置づけられるため、日々の業務記録が「リスク管理の証拠」となり、保健所調査時の説明責任も果たせるようになります。
HACCPを店舗に取り入れることで、単なる義務対応にとどまらず、以下のようなメリットがあります。
「仕組み化された予防管理」がHACCPの本質です。
これにより「できていないことに気づける」「気づいたときに改善できる」といった店舗運営体制が整います。
「衛生管理は日常業務の一部」である意識づけが、店舗全体の衛生レベルを長期的に高めます。
ここでは、組織的・継続的に取り組むための体制づくりのヒントを解説します。
厨房内の清掃・衛生管理手順を「誰が読んでもわかる」形式でマニュアル化することが第一歩です。
たとえば、「換気扇は月初1日に清掃」「冷蔵庫パッキンのアルコール消毒は週初めに実施」のように、「いつ(時期)」「何を(頻度)」行うかを具体的に決めておくことで、業務が惰性になるのを防ぎ、衛生面で高い効果を維持できます。
あわせて「なぜこれが必要か」を教育の場で説明し、従業員一人ひとりが目的を理解できる状態を作ることが重要です。
知識を浸透させることで、業務が「単なる作業」から「衛生意識の実践」へと変わります。
衛生チェックリストは日常点検を支える有力ツールです。
厨房の温湿度計測、汚れ状況確認、清掃実施の記録を毎日残すことで、異常発生時の早期発見とスタッフ間の情報共有がスムーズになります。
一例として、HACCP(危害要因分析重要管理点)管理の考え方を応用し、湿度・清掃・保存温度など「重要管理ポイント」を設定し、その項目を日報に組み込むと、従業員の意識向上に役立ちます。
記録を見返すことで「どの時期にリスクが高まるか」を店舗全体で把握でき、次年度以降の改善計画にもつながります。
夏場の厨房環境は、高温・高湿度のためカビが発生しやすく、食品衛生管理の重要課題になります。
カビは単なる見た目の問題にとどまらず、食中毒・異物混入・営業停止・保健所通報・信用低下といった深刻なリスクをもたらします。
そのため「湿度・温度管理」「見えにくい箇所の清掃」「保存食品の徹底管理」「従業員教育」「HACCP的な管理意識の導入」をセットで実践することが、経営の安定と顧客信頼につながります。
まずは自店舗で「どこがリスクになりやすいか」を棚卸しし、清掃・点検ルーティンの見直しから着手してみてください。
そして、自力で解決が難しいと感じた場合は、迷わず専門業者に相談することをおすすめします。
日々の衛生管理を「店舗価値の一部」として意識することが、安心・安全な飲食環境を支える最善策です。
ReAirでは、飲食店の空調・換気設計を一から行っております。
「換気量が足りない・できない」「においがこもる」といったお悩みがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
快適で清潔な店内環境づくりをご提案いたします。
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