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魅力的な商品を揃えても、店舗のレイアウトが分かりにくいと、お客様はスムーズに買い物を楽しむことができません。
最高の顧客体験を提供し、売上アップにつなげるために重要となるのが、店舗設計における「ゾーニング」の考え方です。
この記事では、店舗設計におけるゾーニングの概念から具体的な設計手順、設計時のポイントについて詳しく解説していきます。
ゾーニングとは、目的や機能に応じて店舗の空間全体をいくつかのエリアに分け、最適なレイアウトを設計することを指します。
たとえば飲食店なら、想定している顧客層に合わせた座席や、スムーズな会計、他の人とぶつからない通路スペースなどを確保し、適切に配置することもゾーニングのひとつです。
ゾーニングを行う最大の目的は、役割ごとにエリアを区切り、機能的かつ効率的な店舗づくりを実現することです。
商品を陳列するスペース、顧客がその商品を選ぶスペース、レジスペースなど、店舗に必要なスペースを洗い出し、それらを適切に配置することによって、顧客の購買体験や売上の向上、店舗運営の効率化などを目指します。
適切なゾーニングを行うことで、主に以下の3つの効果が期待できます。
また、店舗のコンセプトに沿ったゾーニングを行うことにより、そのお店ならではの雰囲気
ゾーニングを適切に行うためには、まず店舗のコンセプトを明確にしたうえで、そのコンセプトに基づいた方向性を検討することが大切です。
まずは、「どのような店舗にしたいか」、「ターゲット顧客層は誰か」、「どのような商品を販売したいか」などの要素から、店舗全体のコンセプトを具体的に設計します。
そのコンセプトによって、方向性や基準が明確になっていきます。
いわゆる5W1H(いつ、どこで、誰に、何を、なぜ、いくらで)のフレームワークに沿って、誰にどのような価値を、どのような形で提供したいのかを洗い出していきましょう。
たとえば「大人世代へ向けて、上質な商品をゆっくり落ち着ける空間で提供する」というコンセプトならば、ゾーニングは「空間にゆとりを持たせて、他のお客様同士が気にならないようなレイアウト設計」を意識して行うことが一案として考えられます。
また、顧客視点で考えることも大切です。
入店から、目的を果たした後の退店までをできる限り短い動線で完結できるようにしたり、ゆっくり滞在できるゆとりある空間を確保したりなど、各スぺースをどう区切れば顧客体験の向上につながるかを意識してゾーニングを検討します。
仮に飲食店の場合、家族連れ向けの広めの個室やおひとり様向けのカウンター席などが、各顧客に合わせたゾーニングの例として挙げられるでしょう。
併せて必要なのが、店舗で取り扱う商品の特性を引き出すレイアウトの検討です。
店舗のコンセプトや顧客のニーズに合ったおすすめの商品や、シーズンごとに売り切りたい季節商品などは、できる限り目立つ場所に配置できるようゾーニングしていきます。
たとえば雑貨店であれば、春や秋の行楽シーズンにはお弁当箱やピクニックセット、夏には紫外線対策グッズ、冬は防寒グッズなどを、入口に近い場所へレイアウトするのがよいでしょう。
その上でレジを店の奥に配置すれば、購入するまでの動線上で他の商品も目につき、購入意欲をさらに刺激するきっかけづくりにもつながります。
また、店舗の中で特に売上のよい商品は、それに比例して売り場面積を拡大するのも有効的なアイデアです。
ゾーニングのコンセプトを検討する際には、ブランドイメージを反映することも効果的です。
たとえば上質で洗練された大人のイメージを持つブランドの場合、雑然とした雰囲気になりがちな収納スペースなどは、顧客の目に触れない場所へ明確にエリア分けするといいでしょう。
併せて、照明や高級感のある家具などで空間の区切り方についてもひと工夫すると、ブランドの世界観をよりわかりやすく伝えられます。
店舗設計における、具体的なゾーニングの手順は次のとおりです。
まずは、店舗内にどのようなスペースが必要になるのかを具体的に洗い出しましょう。
その上で、ターゲットとなる顧客層や、出店する地域の特徴、ゾーニングのコンセプトなどを踏まえながら、各エリアに割り当てる広さを計算していきます。
たとえば若いカップルをメインターゲットにしたカフェの場合、スペースとしては、カップル向けのソファー席エリアを広めにとるのが望ましいかもしれません。
また、飲み物・軽食等を用意する厨房、会計用のレジスペースなどが併せて必要になると考えられます。
各ゾーンの広さや位置関係は、用途に合わせて設計することが大切です。
先述したカフェの例であれば、ゆったりできるソファー席は人目につきづらい店の奥側に配置するなどのレイアウトが考えられるでしょう。
また飲食店の場合、厨房の広さは、提供するメニューの数や構成等に合わせて検討するのが一般的です。
ゾーニングを行う上で、「ゴールデンゾーン」と「動線設計」は重要な要素です。
ゴールデンゾーンとは、店舗の中でもっとも商品が見やすく、売上が見込める場所・範囲を指す言葉です。
一般的には、陳列棚の床面から75cm〜150cm程度の「見やすく、手に取りやすい高さ」や、店舗の入り口付近など特に目立つ位置に設けられる商品陳列エリアを“ゴールデンゾーン”と総称します。
店舗売上の8割から9割はこのゴールデンゾーンの商品に集中しているとまで言われており、客単価や店舗全体の売り上げは、このゾーンにどの商品を陳列するかによって大きく変動します。
ゴールデンゾーンには主力商品と併せて利益率の高いおすすめ商品や季節商品を積極的に陳列するなど、購買意欲を高め「ついで買い」を促進できるようなゾーニングを検討しましょう。
ゾーニングを検討する際に忘れてはならないのが、顧客が店舗内をスムーズに回遊できる動線設計です。
動線が悪いと、目的の商品を見つけにくかったり、店舗内の移動がストレスになったりして、顧客体験を低下させる原因になりかねません。
人には「無意識に左側を壁にして歩く習性」があると言われているため、基本的には、店舗入り口から左側の壁に沿って歩き、右回りで回遊できるような動線を意識するのがよいでしょう。
その上で、お客様同士がすれ違える広さや、スタッフの動線なども合わせて確保できるような設計を、プロに相談しながら検討するのがおすすめです。
ゾーニングは、店舗設計のなかでも、お客様の顧客体験を左右する非常に重要な要素のひとつです。
ReAirは、内装のデザイン・設計、工事まで、お客様のニーズに合わせて一貫したサービスを提供します。
また、空調・換気設備の導入や改善も同時に提案できるため、店舗の新設やリニューアルをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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