2023.10.27業務用エアコン導入ノウハウ

換気とは?高機能換気設備と一般的な換気設備との違いを解説

換気とは?高機能換気設備と一般的な換気設備との違いを解説

快適な室内環境を維持するために欠かせないのが定期的な換気になりますが、なぜ換気をすると室内環境が良くなるのかなぜ換気をしなくてはいけないのかについて、具体的なその理由は知られていないこともあります。

とりあえず空気の入れ替えをしないと…」「匂いや湿気が気になるから空気の入れかえたい」など、なんとなく換気をしている方も多いのではないでしょうか。

換気はただ窓を開けたり、換気機器を稼働させるだけでも効果はありますが、もっと換気を効率的に行える方法があり、これらの方法は一般家庭でも簡単に実施することができますし、雨の日でも換気することもできます。

▼雨の日でも換気する方法は以下の記事で詳しく解説しています。

雨の日でも窓を開けて換気してもいい?湿気対策をしながら換気する方法を紹介

ただ、人の往来が多い店舗やオフィスなどでは、店内や室内の構造上、窓を開けたりした換気ができないこともあります。また、冬などの乾燥する時期になるとこれまで以上に室内の空気環境に配慮し、換気の重要性は高まります。

そのような環境でも、『高機能換気設備』があれば窓を開けずに空調効率を下げずに換気できますので、この記事で詳しく解説していきます。

この記事では、効率的な換気方法や、窓を閉めたままでも効率よく換気できる「高機能換気設備」について詳しく解説していきます。

通常の換気扇などの換気設備と高機能換気設備は何が違うのか、どのようなメリットや効果が期待できるのかも解説していきますので、ぜひご参考ください。

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換気とは

換気とは

換気を行う主な理由としては「湿気」や「匂い」「ホコリ」などを外に出すために行ないますが、そもそも換気の定義とは何でしょうか。

換気とは、室内の空気を室外に排出し、室外の新鮮な空気を室内に入れること。つまり室内と室外の空気を循環させ、室内の汚れた空気や匂いを外に逃すことを目的としています。

ではなぜ換気をするのかについてですが、大きく分けて3つの理由があります。

  1. 1.室内の二酸化炭素の排出と酸素の供給
  2. 2.シックハウス症候群の予防を目的とした、ホルムアルデヒドやハウスダストの排出
  3. 3.カビの発生防止するため、室内を除湿し湿度をさげるため

それぞれ以下に詳しく解説します。

室内の二酸化炭素の排出と酸素の供給

二酸化炭素は人間の呼吸やガスファンヒーターなどの暖房機器などの家電製品、自動車から排出されます。この二酸化炭素は空気中に漂い残るため、換気していない場合は室内に留まり二酸化炭素濃度が増します。

室内の二酸化炭素濃度が高まることで、人体の健康に悪影響を及ぼし、

  • ・息苦しさ
  • ・倦怠感
  • ・めまい
  • ・頭痛
  • ・吐き気
  • ・耳鳴り
  • ・眠気

上記のように様々な症状を発症させるリスクを高めます。

さらに、室内の二酸化炭素濃度が7%以上になると意識障害を起こし、意識の消失や失神してしまう場合もあります。

また換気をしない場合、二酸化炭素濃度の上昇だけではなく、一酸化炭素や窒素、ホコリや花粉、ダニを含むハウスダストなどの汚れた空気も停滞してしまいますので、シックハウス症候群の発症リスクも高めてしまうかもしれません。

二酸化炭素濃度が上がってしまう理由

二酸化炭素濃度が情報する原因は、『換気設備を止めている』『部屋の機密性が低い』『ストーブなどのファンヒーターを利用している』『人口密度が高い』ことが考えられます。

換気設備を止めている

2000年初頭頃にシックハウス症候群が社会問題になり、2003年7月から建築基準法に基づくシックハウス法が施行されて以降、24時間換気設備の設置が義務となっています。

この24時間換気設備が止まっていると、気密性の高い室内では二酸化炭素などの汚れた空気が滞留するため、二酸化炭素濃度が上昇します。24時間換気設備がある場合は常に稼働させておきましょう。

部屋の気密性が低い

先ほどは「室内の気密性が高いと空気が滞留する」と解説しましたが、換気をする場合は逆に気密性の低い室内の場合は空気が停留してしまい、しっかり換気できない場合があります。

日本住環境株式会社様で掲載されている下図のように、機密性の低い室内で換気をした場合は所々の隙間から空気が抜けてしまいますので、効率良く換気がしにくい状態になってしまします。

部屋の機密性が低い
画像引用元:二酸化炭素濃度が基準を超えるとどうなる?濃度が上がる意外な原因とは|日本住環境株式会社

ストーブなどのファンヒーターを利用している

ストーブなどのファンヒーターを利用することでも室内の二酸化炭素濃度を高める理由になります。

ガスや灯油を利用するストーブやファンヒーターは、燃焼させる際に二酸化炭素を発生させます。そのためストーブなどのファンヒーターを長時間稼働させることで二酸化炭素濃度を高める原因となります。

またストーブなどは二酸化炭素以外にも一酸化炭素も発生します。また一酸化炭素は無味無臭で毒性の高い気体であるため、必ず定期的な換気をするように心がけましょう。

一酸化炭素濃度が高まると『一酸化炭素中毒』になる可能性を高め、最悪の場合は命を落とすこともありますので、必ず1時間に1回など定期的に換気しましょう。

人口密度が高い

室内に大人数が多く集まると当然、二酸化炭素濃度は高まります。人間が吐く息の3~4%が二酸化炭素と言われています。全体の比率としては低いですが、人が多ければ排出される二酸化炭素の量も高まります。

室内の広さにもよりますが、人が多く集まる場所では必然的に二酸化炭素が増えますので常に換気をする、または換気の頻度を高めるなどをする必要があります。

シックハウス症候群の予防を目的とした、ホルムアルデヒドやハウスダストの排出

シックハウス症候群とは、

住宅の高気密化などが進むに従って、建材等から発生する化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康影響が指摘され、「シックハウス症候群」と呼ばれています。
引用元:シックハウス対策のページ

シックハウス症候群の症状は、

  • ・目がチカチカする
  • ・鼻水が出る
  • ・喉の乾燥やイガイガ
  • ・吐き気
  • ・めまい
  • ・頭痛
  • ・湿疹や発疹

シックハウス症候群を予防するためには、定期的な換気が欠かせません。

また換気の他には『ダニやカビの対策』『化学物質の対策』の2つが特に重要です。

ダニやカビの対策

カビやダニが発生する原因は主に「ほこり」と「湿気」です。

カビは湿気の多い箇所や湿気が滞留しやすい箇所に発生しやすく、特に室温が20℃以上の場合は特にカビが発生しやすくなります。またチリやホコリなどが溜まりやすい場所にはカビと同様にダニも発生しやすくなります。

これらの対策方法は換気や掃除を定期的に行い、清潔に保つことが重要です。特に換気は1日1回とかではなく、1時間に1回など換気頻度を高めることにより効果的に対策することができます。

化学物質の対策

すでに建築されている建物場合は換気の頻度を高める、もしくは24時間換気設備を設置する、稼働させることで対策することが可能です。

建築前の建物であれば、建設の際に利用される塗料や接着剤、防腐剤などの化学物質を控える、抑えるように相談することもできます。

現代では、特にシックハウス症候群の問題は国を上げて警鐘されているため大きな不安になるようなことはないかと思いますが、昨今の建物は機密性が高く空気が滞留しやすい作りなので、換気は常に意識しましょう。

カビの発生防止するため、室内を除湿し湿度をさげるため

カビは先述したように、湿度が70%以上で室温が20℃以上の環境が非常に増殖しやすく、カビが発生しやすい条件となります。

そのため、できるだけ湿度が70%以下になるように対策をする必要がありますが、湿度を下げる方法は以下が効果的です。

  • ・2時間に1回など定期的に換気する
  • ・湿度が高くなる場所で除湿機を稼働させる
  • ・除湿剤をクローゼットなど湿気が溜まりやすところに置く
  • ・エアコンなどの空調機器の除湿で運転する
  • ・サーキュレーター(扇風機)を開けている窓に向けて稼働させる

 

▼シックハウスについては以下の記事で詳しく解説しています

換気の種類と効率的な方法を解説!体に与える影響とは?

 

高機能換気設備とは

高機能換気設備とは

高機能換気設備とは、換気に必要な給気排気を1台の機械でまとめて行い、熱交換システムが搭載されていることが大きな特徴です。

一般的な換気扇などの換気設備の場合、空気の排気を促すだけで給気をおこなっていない場合があります。また一般的な換気設備では、夏季は外の暑い空気が室内に入り、冬季は冷たい空気が入ってしまい、空調効率を悪化させるといったデメリットがあります。

熱交換システム(全熱交換機)により室温を保った換気が可能に

しかし、高機能換気設備には熱交換システム(全熱交換機)が搭載されているため、室内の温度を一定に保ちながら換気ができますので、空調効率を下げることもありません。

夏は室内の冷えた空気を利用して入ってくる外気を冷やし、冬であれば暖まった室内の空気を利用して冷たい外気を暖めてから室内に入れるという仕組みになっています。

そして、熱交換は、室内の冷たい(暖かい)空気を排気する際に給気する空気に移して行われます。

このときに「きれいな空気と汚れた空気が混ざってしまうのではないか」と思われるかもしれませんが、熱交換システムでは空気を混ぜ合わせて熱交換を行うのではなく給気と排気の通り道が分かれており熱だけを交換するようになっています。

そのため、室内には新鮮な空気が供給され、汚れた空気は外に排出されますので安心してご利用いただくことができます。

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一般的な換気設備の見込まれる効果は

換気設備といえば一般的にキッチンにあるレンジフードやプロペラファンなどが分かりやすいですが、実は機械を使った換気の方法は3つに分類されています。

3種類の換気方法

①給気・排気どちらも機械で行う
②給気だけ機械で行い排気は排気口から自然に行う
③給気は給気口から自然に行い排気は機械で行う

上から順に「①第一種換気」「②第二種換気」「③第三種換気」と呼ばれています。

ちなみに熱交換器を搭載した高機能換気設備は、給気も排気も機械で行いますので「①第一種換気」に該当します。

自然に換気を行うよりも機械を使った方が効果が高く、窓の開け閉めといった手間もなくなりますので、第一種換気設備は最も効率よく換気できる方法です。

商品として、ダイキンからはベンティエール、三菱電機からロスナイが販売されています。

▼ロスナイ・ベンティエールの詳しい情報はこちら!
全熱交換器のロスナイとベンティエールは何が違う?性能やそれぞれの換気効果を解説

 

高機能換気設備の見込まれる効果

高機能換気設備では、換気が効率的に行えることに加えてさまざまなメリットがあります。
通常の換気設備では、真夏の場合、外の暖かい空気が室内に入り、室内の冷えた空気を排出するため冷房の効率が悪いです。

これは冬の場合でも同様で、外の冷えた空気が入り室内の暖まった空気を排出してしまいます。

とはいえ淀んだ空気を室内にとどめておくことは健康面で推奨はできません。

そのため通常の換気設備では空調効率が悪くなってしまい、光熱費が高くなるというデメリットがあります。

一方で高機能換気設備の場合は、夏は室内の冷えた空気を排出する際にその冷たさを給気に移し、冬は暖まった空気を排出する際にその熱を給気に移す仕組みになっています。

そのため室内の温度を保ったまま換気することができ、空調負荷の軽減にもつながります。

そして、窓を開け閉めせずに換気ができるため、室外や室内の音を気にしなくてよいというのもメリットの一つです。

また、給気に関して花粉やアレルギー物質が気になる場合はフィルターを設置すればより綺麗な空気を取り込めます。

まとめ

高機能換気設備は効率よく換気できるため、不特定多数の人が利用するオフィスや飲食店、商業施設などあらゆる施設におすすめです。

そして給気側にフィルターを取り付けることができますので、新型コロナウイルスだけでなく花粉対策にも効果があります。

ReAirでは高機能換気設備の工事はもちろん、国が推奨している換気量に合わせて一から室内の環境を設計することもできます。

換気対策で工事をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。


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